9年越しで完成させた映画「おらが村のツチノコ騒動記」…今井友樹監督「“いる”と思えたほうが、何だか心が豊かになっている感じがして…」
◆取材を通して生じた気持ちの変化
そんな思いで地元での取材を始めた当初は、“ツチノコは絶対にいない”と思っていたという今井監督。しかし、取材を進めていろいろな人の話を聞くにつれて、その気持ちにも変化が。35年前のツチノコ捜索イベントがおこなわれた当時のことを知っている人たちや、実際にツチノコを見たという人とも会ったといい、「話を聞いてみると、みんないい人なんですよ。そういう人がツチノコのことを語るという、そこはすごくリアリティさが伴ってくるので『これは絶対にいるな』と」と熱弁します。 9年にも及ぶ取材を通して「“これはいるな”っていう気持ちになっていきました。“いない”と思っていた自分よりも“いる”と思えた自分のほうが、何だか心が豊かになっている感じがして。だから、そこに到達できたことが1つ大きかったのと、実は僕自身もツチノコを子ども時代に見ていたんですね。その記憶すらも僕はすっかり忘れていたんですけど。相当、自分のなかのコンプレックスになっていたんだと思います」と今井監督。 さらには、「“いるかもしれない”という予感はしています。パンダも150年ぐらい前に発見されて、それまでは幻の生き物とされていたので。それこそヤンバルクイナは1980年代に発見されていますし、新たに見つかる存在もあれば、絶滅していく生き物もいるので、そういった狭間にツチノコがいるんじゃないかなって」と力説。映画製作を通してツチノコを探しつつも「自分の故郷を見つめ直すという行為でもありました」と話していました。 (TOKYO FM「日本郵便 SUNDAY’S POST」2024年7月14日(日)放送より)