96歳ユーチューバー「最強ばあちゃん」、5世代20人大家族の日常伝え人気…登録者12万人「パワーもらえる」
1928年、旧・伊勢畑村(現・常陸大宮市)で生まれ、10代後半は東京都内で駅員として約2年間働いた。「毎日のように空襲があり、防空壕(ごう)から会社の寮に帰ると、天井と床に大きな穴が開いていた」
終戦後に実家に戻ると49年、お見合いで紹介された二郎さん(91年に66歳で死去)と結婚。バラック小屋に住み、雑木林を切り開いた畑を耕してサツマイモや小麦などあらゆる作物を育て、飢えをしのいだ。結婚して間もなく長男に恵まれたが、小さな命は百日咳(ぜき)を患い、生後3か月ほどで世を去った。
戦争、戦後の苦難――。「戦争はいけない」という思いを強くし、後に自身の動画でも語るようになった。
「考えること多い」長寿の秘訣か
農家を営みながら、困難を乗り越えてきた千代さん。3人の娘、7人の孫、5人のひ孫、4人の玄孫に囲まれた今の穏やかな暮らしに「殿様のような生活で、生きているだけで幸せ」と喜びをかみしめる。
動画投稿をきっかけに、「前より若くなった」とよく言われるようになった。家事や動画撮影などについて「考えることが多い」ことも、長寿の秘訣(ひけつ)と言う。
目標は100歳までユーチューブを続けること。「玄孫が成長する姿も見ていたいし、まだまだボケられないよ」。最強ばあちゃんの意欲は尽きない。(大我寛樹)