侍ジャパン 坂倉が6回ソロで逆転の流れを呼ぶ 満塁弾放った同学年「“牧さん”に感謝」
◇WBSCプレミア12 スーパーラウンド第2戦 日本9―6ベネズエラ(2024年11月22日 東京D) 捕手としての意地とプライドが詰まった一発だった。6回に2点勝ち越され、その裏1死。侍ジャパンの広島・坂倉は2ボールから自信を持ってフルスイングした。「ボール先行だったので、ここで変化球はない」。149キロを右中間に運び逆転劇を呼んだ。 最大3点リードを一時逆転された直後だが「取り返すしかないので、引きずっていてもしょうがない」と打席に集中した。井端監督が26年WBCなど今後の侍ジャパンを背負う正捕手として期待する、球界屈指の若くて打てる捕手だ。昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップでは、オーバーエージ枠で招集。今大会は、17日キューバ戦以外は全て先発マスクを任され、出場全6試合安打で打率・438をマークする。 宮崎合宿では2日目の夜に初招集の井上、藤平らに声をかけ、古賀、隅田と食事会を開催した。「気を使わずにしゃべってもらえるような関係をつくれたら」と捕手ならではの気配りがあった。侍ジャパンの経験を積む中で「期間が短いので迷うと終わる」と実感。この日もベネズエラの打撃練習をしっかり観察し、最善の準備をしていた。 追い上げムードを高める一振りで、台湾では清宮、五十幡とともに火鍋を囲んだ同学年の牧の満塁弾を呼び「“牧さん”に感謝」と笑顔。「ここまで来たら全部勝ちたい」と気持ちは既に切り替えていた。(小野寺 大) ≪国際大会で捕手の本塁打は7年ぶり≫坂倉(広)が6回に一発。日本代表で捕手の本塁打は、22年11月5日の強化試合・日本ハム戦の森(西=現オリックス)以来。国際大会となると小林(巨)が17年WBCの3月10日中国戦で放って以来7年ぶりだ。