異例の自治体トップ同士の告訴 「圧力かけていない」町長主張の根拠を覆す証言か 福岡県
福岡県田川市長が、大任町の町長を強要未遂容疑で告訴している問題。大任町長は「圧力をかけていない」として逆告訴していますが、その根拠の一つを崩す証言が出てきました。 【写真で見る】圧力に対して当時の担当部長が説明~永原町長の主張を明確に否定~
「圧力をかけられた」と田川市長
村上卓哉・田川市長「大任町の町長・永原譲二氏を刑事告訴するに至りました」 田川市の村上卓哉市長は2023年9月、田川地区8市町村が共同で建設しているごみ処理施設の組合長を務める永原譲二・大任町長から、「組合を出て行くように圧力をかけられた」などとして、強要未遂の疑いで刑事告訴しました。 これに対し、永原町長は「圧力をかけてはいない」として村上市長を虚偽告訴と名誉毀損の疑いで逆告訴しています。 RKB今林隆史「田川市長を逆告訴したことについて、自信を見せる大任町の永原町長。ただ、その根拠について議会で説明されることはありませんでした」
「潔白」主張の町長
12月、庁舎内での撮影が一部認められ、大任町議会の様子を映すモニターを撮影することができました。この日の議会では、永原町長が町の予算から110万円を投じて逆告訴したことについて議員が質問しました。 次谷隆澄議員「『大任町の潔白』とはどういった意味でしょうか?」「永原町長は『弁護士が100%勝てると言っている』と言われましたが、その根拠はどこにあるのでしょうか」 永原町長「100%町長は起訴されるということはありません、という弁護士の見解を私はうかがったから、それを話しただけです」 永原町長は「潔白」を主張していますが、その根拠を議会に対し明確には示しませんでした。
現場に立ち会っていた市担当部長
永原町長が「圧力をかけていない」とする根拠の一つが、田川市長と面会した際に同席した田川市幹部の受け止め方です。面会に同席した担当部長は田川市議会の全員協議会でこのように証言しました。 田川市の担当部長(当時)「実際にそこが強要ないしは、また圧力はあったかというようなことでございましたら、それに関しては人それぞれの思いが、感じ方があろうと思います。私の方としてはそこまではなかった」 永原町長は、この担当部長の受け止め方を根拠の一つだと繰り返し説明しています。 永原町長(7月)「悪意持って言うたら、そう感じるやないですか。先ほどの部長も課長も『圧力とか感じなかった』と」 永原町長(9月)「議会に出て部長と課長が『圧力を感じなかった』。でしょ。言うたやないですか」