センバツ2023 寒波の中、広陵に「春」(その1) 2年連続26回目出場 /広島
寒波で雪が降る中、広陵に「春」の知らせが届いた。第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が27日開かれ、昨秋の中国地区大会で2連覇し、明治神宮大会でも2年連続で準優勝した広陵(安佐南区)の出場が決まった。出場は2年連続26回目。一方、21世紀枠中国地区候補の神辺旭(福山市)は選ばれず、春夏通じて初めての出場とはならなかった。組み合わせ抽選会は3月10日にあり、大会は同18日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。 広陵は、國貞和彦校長が選考委員会のオンライン中継で選出されたことを確認し、室内練習場でトレーニングする選手のもとに向かった。「おめでとうございます。お世話になった人たちへ感謝の気持ちを忘れず、優勝旗を持って帰ってきてほしい」と出場決定を伝えると、選手たちは「日本一を取るぞ」と2年連続の出場に顔を紅潮させ、歓喜の声を上げた。 昨春のセンバツは2回戦で敗れ、夏の広島大会も3回戦敗退と力を出し切れず、悔いが残る1年だった。3年生は後輩に雪辱を果たしてもらおうと、夏の大会後も練習に付き添ってきた。1、2年生は「出場が決まったのは先輩たちのサポートのおかげ」と感謝を伝え、3年生は「広陵らしいプレーを見せて、かたきを取ってほしい」とエールを送った。 昨春のセンバツでも主軸を担った真鍋慧(けいた)選手(2年)は「甲子園でホームランを打つのが夢。持ち前の長打力でチームを引っ張っていきたい」と意気込んだ。 左腕エースの倉重聡投手(2年)は初めての甲子園に「マウンドに立つ夢をかなえたい。制球力に磨きをかけて大舞台でプレーを見せたい」と抱負を語った。【安徳祐】 ◇生徒や職員、号外見入る 同校で配布 毎日新聞は、広陵のセンバツ出場決定を紹介する号外を同校で配布した。 広陵の生徒や教職員は、事務室前で号外を次々と手に取り、選出までの道のりや選手のプレーを紹介する記事と写真に見入った。生徒会長の2年、西内佑織(ゆり)さん(17)は「野球部は学校の名前を背負う素晴らしい人たちで、センバツ出場は誇り。『甲子園で勝ち負け関係なく思う存分楽しんで』と思うが、優勝をめざしてほしい」とチームの日本一を期待していた。【岩本一希】 ◇神辺旭 吉報届かず、夢は夏に 神辺旭の選手とマネジャーの38人は会議室に集まり、オンライン中継で選考委員会の発表を見守った。 21世紀枠の出場校に神辺旭の名前はなく、悔しそうな表情を浮かべる選手も。三浦喜成校長は「残念な結果だが、21世紀枠の推薦校に選ばれた理由である中国大会初出場を果たしてくれた。広島大会決勝進出を目指し、次の夢の舞台を見よう」と励まし、高橋良輔監督は「今回の経験をいかして夏の甲子園に向けて切り替えよう。隣にいるチームメートと一緒に弱い自分を超えていけ」と呼びかけた。 石井恒主将は「甲子園まであと一歩という経験をさせてもらいモチベーションを高められた。今日から練習で課題の守備を改善し、夏に優勝して甲子園に行きたい」と意気込んだ。木村臥心副主将も「悔しいが今の力を見つめ直し、失策をなくしたい」と前を向き、グラウンドに移動して練習を始めた。 神辺旭はグラウンドを陸上部などと共用するなど練習環境が万全とはいえない中、秋季県高校野球大会でベスト4に進出し、創部以来初めて中国地区大会に出場した。【関東晋慈】