鹿児島県警の「何」に県民は失望しているのか…「発覚後の不適切な態度への不信だ」と指摘する県議に、本部長は「警察官が法を破ったことだ」…かみ合わぬ議論、説明は抽象論に終始した
鹿児島県警が公表した再発防止策について、6日調査した県議会総務警察委員会の閉会中委員会では、委員らから「県民の意見を取り違えている」「具体性に欠ける」などと批判が噴出し、県警と委員との認識のずれが露見した。 【写真】〈関連〉総務警察委員会で不祥事案件の再発防止対策について述べ、頭を下げる野川明輝本部長=6日午前、鹿児島県議会
委員外の県議も多数出席し、質疑は休憩を挟みながら8時間を超えた。県警は「今後検討する」などの抽象的な説明を繰り返した。 「県民が県警に失望したのは不祥事そのものではない」。本田静委員(自民)はそう指摘した上で「不祥事が発覚してからの態度の不適切さに不信感を募らせている」と続けた。この発言には複数の議員がうなずいた。改めて平良行雄議員(共産)が「県民は何に怒っていると思うか」と問いただすと、野川明輝本部長は「法を守るべき立場の警察官が法を破ったことだ」と答えた。 再発防止策の具体性を問う意見も続出した。岩重礼副委員長(自民)は「(組織改革の柱の)改革推進委員会はいつ始まるのか、頻度はどれくらいか」と質問。追って福司山宣介議員(県民連合)が「目標やスケジュールを示さなければ説得力がない」と一喝すると、県警幹部らは言葉に詰まり沈黙する場面もあった。 西畑知明警務部長は「具体化できていない部分もある」と認め「取り組めるものから取り組んでいく」と回答するにとどめた。
南日本新聞 | 鹿児島
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