子育てを終えてから友人たちがどんどん働きはじめて自分も迷ってます。60代で働いてる人の割合はどのくらいですか?
子育てを終え、友人たちが次々と働き始めるようになると、自分も働くべきかどうか迷う人もいるのではないでしょうか。60代になると、働くことの意義や可能性について考えることが増えますが、実際に60代で働いている人はどれくらいいるのでしょうか。 この記事では、最新の統計データをもとに、60代で働く人々の割合と働き方について詳しく解説します。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
60歳以上の労働者は年々増加傾向にある
厚生労働省の令和5年「高年齢者雇用状況等報告」によると、31人以上の規模の企業における60歳以上の常用労働者数は約457万人で、平成26年と比べると約170万人(59.0%)増加しています。また、21人以上の企業規模における60歳以上の常用労働者数は約486万人で、令和3年と比較すると約39万人(8.6%)増加しています。 高齢者の就業増加の結果から、企業が高齢者を積極的に雇用する傾向がみられ、人材確保のための雇用政策が変化していることが考えられるでしょう。また、社会的・経済的背景の変化により高齢者の働く意欲が増加した可能性なども考えられます。
60代で働く人々の割合
内閣府の令和6年版高齢社会白書によると60代以降で働く人々の割合は表1の通りです。 表1
表は内閣府「令和6年版高齢社会白書」55歳以上の者の就業状況を基に筆者作成 60~64歳の男性は84.4%、女性は63.8%と高い就業率です。この結果から、多くの人々が60代前半でも働き続けていることが分かります。すべての年齢層において、男性の就業率が女性よりも高く、男性がより長く働き続ける傾向があることを示しています。
高齢者世帯の平均所得
厚生労働省の令和5年国民生活基礎調査によると、高齢者世帯の所得は表2の通りです。高齢者世帯とは、65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯を指します。 表2
表は厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額を基に筆者作成 高齢者世帯の平均所得金額(304万9000円)は、高齢者世帯以外の世帯(651万1000円)と比較して約半分以下です。全世帯の平均所得金額(524万2000円)と比較してもかなり低いことがわかります。 高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と感じていることから、所得が低く、生活費や医療費などの支出が大きな負担となっていることが考えられます。高齢者世帯は経済的な厳しさを感じている割合が高いようです。