14年ぶりの復活 福島県浪江町請戸地区の苕野神社で正月祈禱歳旦祭
東日本大震災の津波被害から再建された福島県浪江町請戸地区の苕野(くさの)神社で2日、正月祈禱(きとう)歳旦祭が執り行われた。震災と東京電力福島第1原発事故発生後、初の開催。神事や参拝を通じて氏子らが古里の復興を祈った。 原発事故による中断前は元日に行っていたが、今回は請戸漁港の漁船出初め式と同日とした。田村貴正宮司が神事を執り行い、参列者にお札を贈った。氏子らが社殿前に列をつくり、それぞれの願いを込めて手を合わせた。 神社は請戸地区を襲った津波で流失。災害危険区域となり、古里に帰還できなくなった氏子らが心のよりどころを取り戻そうと、昨年2月に再建した。 歳旦祭に訪れた氏子総代長の安倍一夫さん(70)は「請戸に人が集まるきっかけができてうれしい。宮司や氏子が力を合わせ、来年以降も続けていきたい」と決意を新たにしていた。