【世代別貯蓄額】30~70代の平均貯蓄額は?やっぱり稼ぎ頭の「50代」が最も高いの?
物価高騰や年金不足が心配されるなか、老後への貯蓄は大切です。世代によって貯蓄額には差があるとされており、自分と同じ年代がどのくらいお金を貯めているのか気になる方もいるかもしれません。 そこで今回は、年代別の平均貯蓄額と中央値を確認しながら、最も貯蓄額が高い年代を見てみましょう。さらに、なぜその年代の貯蓄額が高いのかについて解説していきます。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
【世代別】貯蓄額の平均と中央値
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」では、年代別の貯蓄額を公表しています。30~70代における貯蓄額の平均と中央値を、表1にまとめました。 表1
※金融資産を保有していない世帯を含む ※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する調査(令和4年)[二人以上世帯/単身世帯調査]」を基に筆者作成 表1より、貯蓄平均額と中央値は年齢が上がるにつれて増加しており、70代が最も高いことが分かりました。
70歳代の貯蓄額が多い理由とは?
70代の貯蓄額が最も多いことが分かったところで、その理由を考えてみましょう。20~30代にかけては、自身の結婚や住宅の購入など、ライフイベントに合わせてまとまったお金を使う場面が多いと考えられます。 40~50代は子どもが成長して高校や大学に進学するタイミングの世帯が多いため、教育費や養育費として子育てにかかるお金が増えるでしょう。 稼ぎ頭といわれる50代は、収入も多く貯蓄しやすい年代と考えがちですが、子どもの大学進学やローンの返済などが重なり、出費も増える時期といわれています。なかには、子どもの結婚によって大きな出費が必要になる可能性もあるでしょう。 60代においては、定年退職を迎えるという大きな生活の変化があります。退職金として大きなお金を受け取れるため、貯蓄が殖える家庭もあるでしょう。 しかし60代は、スポーツ施設を使用している方の割合がほかの年代に比べ高いという総務省統計局の調査結果があり、退職後も活発に趣味や交友関係を楽しんでいることが考えられます。思いのほか、自分のために使うお金が多いのかもしれません。 さらに最近では、60代・70代でも働いている方は増えており、今まで貯めてきたお金を大幅に減らすことなく生活できている家庭もあるでしょう。以上の理由から、70代の平均貯蓄額がほかの年齢に比べて多い結果となったと考えられます。