【解説】米大統領選 ミームやセレブの発信…Z世代の動向は?
日テレNEWS NNN
アメリカの民主党大会が来週行われる。現在SNS上では、民主党の大統領候補に指名されたカマラ・ハリス氏の発言やダンスなどが音楽と共に拡散され、1990年代後半から2010年頃までに生まれた「Z世代」の若者の間でも注目されている。この動きが、どれだけ大統領選挙の行方を左右するものになるのか。Z世代のホンネを取材した。(国際部 飯塚真代) 【動くグラフ】米大統領選挙2024 ハリスVSトランプ 支持率の推移
■「カマラはbrat」…すぐに便乗したハリス陣営
ハリス氏が大統領候補として活動を始めたばかりの7月、イギリスの有名歌手チャーリーXCXさんがXに「カマラはbratだ」と投稿した。自身の最新アルバムのタイトル「brat」にかけてつぶやいた内容だ。この言葉は元々「悪ガキ」や「行儀の悪い子ども」を示すが、ここでは、「パーティー好き」「自分らしく生きる」「まわりに流されない」「尖っている」「かっこいい女性」といったポジティブな意味で使われているという。つまり、カマラ・ハリスという政治家はかっこいい存在だと、若者に影響力のある歌手が言ったということ。そして、ハリス陣営もこの投稿が広がった直後に便乗し、SNSをアルバムのジャケットカラーであるライムグリーンにした。さらに、そこから派生して、ハリス氏の過去の発言や、リズム感よく踊る様子などが、ティックトックなどのSNS上で拡散され「ミーム」となっている。
■有権者の半数占める「Z世代」と「ミレニアル」
アメリカは若い世代の人口が多く、今回の選挙では、Z世代と43歳までのミレニアル世代を合わせると、有権者の48.5パーセントを占めるとみられる。この世代は、人種的にもLGBTQなどの性的指向もほかの世代に比べて多様だ。しかもデジタルネーティブでもあるため、ネット上での情報にも敏感とされている。この世代でどれだけの人が実際に選挙人登録をして投票を行うか。これが、選挙の結果を占う上でカギとなるのだ。
■バイデン氏への失望感から若いエネルギーへの期待
ニューヨークに住むZ世代で、前回もSNSで投票呼びかけの活動を行っていたケイリン・バックリーさんは、今回のハリス氏のキャンペーンのSNSでの盛り上がりは前回を大きく超えるものだと話す。「(ミームは)ハリス氏の個性を引き出し、彼女のユーモアセンスを感じさせるものだ」と、ハリス氏がSNS上での「キャラ付け」に成功していると指摘。また、「政治に興味をもっている人もいない人も、若い候補者が出てきたことにエネルギーを感じている」と話す。高齢不安を抱えるバイデン氏に失望感もあった中で、若いハリス氏が登場したことに期待感が広がっているのだと言う。