生活保護を脱却しましたが、「手取り14万円」であまり余裕がありません。販売業ですが、どうすれば収入を増やせるでしょうか…?
生活保護を脱却して仕事に復帰をされた人のなかには、「手取りが少なくて生活が厳しい……」と感じる人もいるのではないでしょうか。一度退職してキャリアが中断して長期間が経過していると、未経験の仕事から再出発しなければならず、再就職した当初は生活保護と変わらない年収しか受け取れないケースもあります。 本記事では手取り14万円の販売員の人を例に、生活保護の最低生活費との手取り額の違いや年収を増やす方法などを解説します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
手取り14万円は生活保護の最低生活費と大きく変わらないケースがある
厚生労働省の資料によると、最低生活費は「生活扶助」「加算額」「住宅扶助」「教育扶助」「介護扶助」「医療扶助」の合計です。 東京で単身生活をしている40歳男性が受け取れる最低生活費は、令和5年10月を基準で考えると「生活扶助」「加算額」「住宅扶助」の合計額で約13万円と計算できます。 就職先を見つけて働いたとしても、手取り14万円では最低生活費とほぼ変わらない金額しか受け取れていない計算です。 厚生労働省では年収192万円未満の場合、フルタイムで働きながら生活保護の最低生活費とあまり変わらない収入しか得られない「ワーキングプア」としています。一般的には年収200万円が目安とされることが多いようです。 給与体系は所属する企業ごとに異なるものの、一般的に専門的な知識がなくても働ける仕事は給与水準が低く、ワーキングプアになりやすい傾向にあるでしょう。 厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、スーパー店員の年収は約361万円です。 国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査によれば、年間を通じて勤務した給与所得者1人あたりの平均給与は458万円であることを考えると、販売店スタッフの年収は平均よりも低いといえます。
販売店スタッフがワーキングプアから脱却するためには
販売スタッフの人が年収アップを狙うなら、考えられる方法としては「キャリアアップ」「転職によるキャリアチェンジ」があります。 販売スタッフの場合、販売スタッフから店長になるのがオーソドックスなキャリアアップの道です。さらに、複数店舗の管理を任されるエリアマネジャーや、本部の企画部門や管理部門とステップアップを狙うことができます。 厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば商品の企画開発部門の事務員の年収は約645万円と、平均を大きく上回る年収を狙うことができます。 一方、小売業界から離れ、平均年収が高い業界・職種に転職するという「キャリアチェンジ」という方法もあります。以下のような職業は厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」でも高年収となっており、小売業から転職できればワーキングプアからの脱却を目指せます。 ●営業:金融営業の平均年収は約637万円 ●IT系:システムコンサルタント・設計者の平均年収は約685万円 ●事務員:総合事務員の平均年収は約511万円