石破首相「取引」好むトランプ氏とどう向き合うか 初の電話会談は「本音で話できる人」
石破茂首相は7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領と電話会談した。記者団に「日米同盟をより高い次元に引き上げていこうと一致した」と述べ、「非常にフレンドリーな感じがした。言葉を飾ったり繕ったりするのではなく本音で話ができる方だ」とも語った。今後、日米同盟や通商を巡り、一対一での「ディール(取引)」を迫られることが予想される中で、首相の外交手腕が試される。 【トランプ氏の素顔】米大統領選返り咲きは132年ぶり2人目 好物はハンバーガー、飲酒せず 電話会談では、対面会談の早期実現でも一致した。首相は11月中の訪米を模索している。 トランプ氏は大統領在任中、日本が在日米軍駐留経費の負担を増やすよう求めており、同様の要求を突き付けてくる可能性は高い。7日の電話会談では負担増の話題は出なかったが、首相は記者団に「負担をどうすべきかは金額だけではない。装備面や運用面など、いろんな観点から同盟強化を今後、精力的に議論したい」と述べた。 首相は9月の自民党総裁選の討論会で、日本が用地を提供する在日米軍基地が、米国の世界戦略にとって死活的な役割を果たしていることを指摘。「誰が大統領でも数字をきちんと押さえて議論すれば、私どもの主張の正当性は認められる」と語っており、トランプ氏とも論理で向き合う構えだ。 一方、トランプ氏は一対一での首脳外交を好むため、個人的な信頼関係の構築は大きな課題だ。かつて安倍晋三元首相は1期目の当選を決めた直後のトランプ氏をいち早く訪問し、その後も「ゴルフ外交」で親密な関係を築いた。石破首相の社交スキルにかかる部分は大きい。(末崎慎太郎)