大阪桐蔭・西谷監督 PLの名将超え甲子園59勝目なるか センバツ
第94回選抜高校野球大会は第9日の28日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝が行われ、第4試合に登場する大阪桐蔭の西谷浩一監督(52)は勝てば春夏通算で甲子園59勝目となり、PL学園(大阪)の中村順司元監督(75)を超えて歴代単独2位となる。同じ大阪のライバルで「どうやってPLを倒そうか」と考えてきたという西谷監督。PL学園の黄金期を築いた名将は西谷監督をどう見ているのか。 【過去には小芝風花さんも】歴代センバツ応援イメージキャラ 1980~90年代にかけて一時代を築き、春夏通算6回の優勝を果たした中村元監督は「西谷さんにとっては通過点ですよ。68勝、100勝、というようにもっと上を目指していけるんじゃないか」とエールを送る。春夏通算の監督勝利数歴代1位は智弁和歌山などで監督を務めた高嶋仁さん(75)の68勝だ。 中村元監督は80年夏にPL学園の監督に就任。81、82年に史上2校目のセンバツ連覇を果たし、83年夏は桑田真澄(元巨人など)、清原和博(元西武など)の「KKコンビ」を擁して優勝。84年春の決勝で敗れるまで甲子園20連勝を達成した。立浪和義(元中日、現中日監督)、片岡篤史(元阪神など)を擁した87年には史上4校目の春夏連覇を達成し、98年春を最後に勇退した。 平成に入ってから春夏通算優勝8回を誇る大阪桐蔭と同様に、結果を出せば周囲の期待も高くならざるをえない。当時のPL学園は甲子園出場が当然視され、出場すれば常に好結果を期待された。だが、中村元監督は「そんなこと(プレッシャーは)一切考えたことがなかった」と明かし、「58勝」という通算勝利数についても「あくまで選手が活躍したことで結果が出ただけ」と気にも留めなかったという。 中村元監督は「選手が高校で野球を終えるのではなくて、大学から社会人、できれば30歳くらいまで現役で野球を続けてほしいと思って指導してきた。勝たなきゃいけないなんて思ったことはない。やるのは選手ですから」と語る。さらに、「普段の練習の成果が試合の中で出てくる」と強調し、「西谷さんもこれだけ結果を残しているということは、普段からそういうきちんとした指導をされているということなのでしょう」と、自身と同じく「常勝」チームを率いる西谷監督の指導力を評価した。 新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けた関係者が複数出たことで広島商が参加を辞退し、大阪桐蔭の2回戦は不戦勝となった。予期しない形で中村元監督の勝利数に並んだ西谷監督は、天候不良で順延となった26日のオンライン記者会見で「私の勝利数という感覚はあまりない。歴代のOBたちが積み重ねてくれた数字だと思うので感謝している」と語った。 さらに、90年代のコーチ時代から「大阪でどうやってPLを倒そうかとやってきた」とし、「数字が並んだから監督として並んだという気持ちはまったくないし、足元にも及ばないと思っている。いつか中村監督のような監督になりたいという気持ちは持っている」。これからもずっと尊敬し、憧れる存在だという。【大東祐紀】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。