異色の商社マンボクサーが世界挑戦!
浜田剛史・代表は、「精神的には会社勤めすることで成功したと思う。KOは少ないが、打たせずに打つというのが、木村の玄人好みするボクシング。八重樫を倒したゲバラと打ち合いはできないが、たとえ下がりながらでも、常に先手をとるというボクシングができるかどうかがポイントになる」と、初挑戦となる木村に期待を寄せる。 だが、チャンピオンのゲバラは強敵である。昨年の年末に八重樫とWBC世界ライトフライ級決定戦のリングで戦い、タフな八重樫をボディアッパー一発で仕留めた。初防衛戦でも、そのボディアッパーが炸裂。V2戦は、判定だったが、ランキング1位を相手に危なげなく防衛に成功している。 「気をつけなければならないのは、日本人にないタイミング。打たせないで打つのが僕のボクシングだけど、先手をとって流れを作っていきたい」 木村はパンチがあるタイプではないので、距離と手数で確実にポイントを拾っていくことが重要になるだろう。要注意の、そのボディ攻撃に対しては「これまで以上に負荷をかけながら特別な形で腹筋を鍛えています」と対策を練っている。ゲバラにボディアッパーという強烈なアクセントを加えられながら、メキシカンのペースで、ボクシングを許すと木村に勝ち目はない。我慢のボクシングで主導権を握りながら、ゲバラを空回りさせていくしかないだろう。 家族もある遅咲きの異色の商社マンボクサーが31歳で手にした世界初挑戦の夢。 ――世界王者になっても商社マン生活を続けるのですか? そう聞くと、木村は、クビを振った。 「世界チャンピオンになってみなければわかりませんが、ボクシングをメインにした、ボクシング1本の生活にするかもしれません」 目指すは、脱・サラ、世界チャンピオンである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)