三谷幸喜の監督映画“出すぎ”俳優ランキング 1位はなんと皆勤賞
3位には本ランキング唯一の女性が!
■3位 戸田恵子/佐藤浩市 戸田恵子と佐藤浩市は6作品に出演している。戸田は子役と劇団員を経て、声優として活動。1994年に本格的に俳優業をスタートさせた戸田は、1997年の三谷脚本のテレビドラマ『総理と呼ばないで』(フジテレビ系)に出演。その後、『ラヂオの時間』『THE有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』など、三谷の監督映画に6作出演の常連俳優となった。戸田は三谷作品について自身がパーソナリティを務める『三菱電機プレゼンツ 戸田恵子 オトナクオリティ』(ニッポン放送)で、三谷が手掛けたドラマ・舞台に多数出演してきた八嶋智人とともに「小劇場の人間を大きな舞台に上げてくれる」と感謝を口にしていた。 佐藤浩市は『ザ・マジックアワー』で“デラ富樫”こと売れない役者の村田大樹役を演じ、コメディタッチの役を完璧に演じてみせた。その後、同役で『ステキな金縛り』『ギャラクシー街道』にも登場している。近年では、三谷が脚本を務めた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合ほか)にて壮絶な最期を遂げた上総広常を熱演し話題を集めた。 ■2位 近藤芳正/阿南健治 近藤芳正は7作品に出演。劇団七曜日時代に三谷脚本の『12人の優しい日本人』に出演したことで常連に。三谷監督映画には『ギャラクシー街道』を除く7作に出演し、存在感のある演技を披露している。 同じく7作品出演の阿南健治は、大衆演劇や蜷川幸雄スタジオ経て、三谷氏主催の劇団東京サンシャインボーイズに所属。その後、三谷作品の常連となり、『みんなのいえ』を除く7作品に出演した。阿南は、三谷が役者に“あて書き”で台本を書くことについて「すべての役に必ず見せ場を作ってくれる」と語る。「三谷さんのところで初めて、芝居というものに真剣に向き合うことができるようになったと思います」とインタビューで感謝を述べた。(※1)
1位はなんと三谷監督映画に皆勤賞! 大河の“怪演”も話題になった俳優
■1位 梶原善 三谷が監督した映画の全作品に出演しているのが、梶原善だ。梶原は岡山県出身で、三谷が主催した劇団・東京サンシャインボーイズに所属。解散後は、『王様のレストラン』『古畑任三郎』(どちらもフジテレビ系)など、数多くの三谷脚本ドラマに出演した。三谷が映画に進出すると、初監督作品の『ラヂオの時間』から『記憶にございません!』まですべてに出演。最新映画『スオミの話をしよう』にもレストランの店員役で登場しており、全作品出演記録は継続となった。 梶原は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で暗殺者、善児を熱演。三谷は朝日新聞の連載「三谷幸喜のありふれた生活」で「河原で人を殺すシーンが多かったせいで『オレ、もう川に遊びに行けないですよ、みんな、逃げていく』と善が嘆いていた」と明かしている。このドラマで三谷幸喜が第41回向田邦子賞を受賞した際には、贈呈式で梶原が涙を流して喜んでおり、2人の絆の深さを伺わせている。 三谷は梶原の『スオミの話をしよう』出演について「僕が監督した全ての映画に出演している唯一の俳優。もはや縁起物なので、今回もワンシーンだけ出てもらった」とコメント。梶原は「他の監督の映画だったら、もうちょっといい役もやってるんだけどなあ」とボヤいていた。 ※1 俳優・阿南健治に聞く【前編】不遇時代を元気に生きる方法 キネヅカ