原口元気「普通に先発から外された」 浦和で3812日ぶり“合唱”も胸中吐露「全然納得していない」【コラム】
原口が痛感「まだまだ僕も満足するほど動けていない」
長男の誕生日である7月8日にちなんで、あえて「78」と大きな背番号を選んだ浦和での再チャレンジ。デビュー戦となった9月14日のガンバ大阪戦こそ、後半31分から敵地・パナソニックスタジアム吹田のピッチに立ち、同4分に関根が決めていた先制点を最後まで守り抜いての勝利に貢献した。 しかし、先述したように翌節から浦和は4連敗とトンネルに突入する。黒星のなかには、ともにホームでFC東京に0-2で敗れた9月21日の第31節、セレッソ大阪に0-1で敗れた10月5日の第33節も含まれる。原口も前者は後半16分から途中出場で、後者は先発で後半31分までピッチに立ちながら力になれなかった。 埼玉スタジアムで「We are Diamonds」を合唱する機会を手繰り寄せられなかったからこそ、1つの思いを具現化させた今、原口は自身と愛する浦和の今後へ向けて熱さをほとばしらせる。 「監督からは『後半に経験がほしい』と言われましたけど、今日は普通に先発から外されたと思っている。僕自身も前節は良くなかったから悔しい反面、納得しなきゃいけないし、出たら何かをしてやろう、と」 柏戦へ向けて胸中に秘めていた思いを明かした原口は、さらにこんな言葉を紡いでいる。 「早くもう1つ勝ってまず残留を決めて、来シーズンに向けて僕も変わらなきゃいけないし、チームも変わらなきゃいけない。まだまだ僕も満足するほど動けていないし、でもどうせ出るのならば前(のポジション)で出たい、というのは今後も伝えいきたい。何で僕が先発じゃないんだという気持ちと、何で僕がチームを救えていないんだという気持ちとがあるし、全然納得していないですよ。なので、これからですね」 連敗を食い止め、暫定12位に順位を上げた浦和に残されているのはあと5試合。そのうち11月10日のサンフレッチェ広島戦、同22日の川崎フロンターレ戦、そして12月8日のアルビレックス新潟との最終節と、勝利した後に「We are Diamonds」を合唱できる埼玉スタジアムでの試合が待っている。 [著者プロフィール] 藤江直人(ふじえ・なおと)/1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。
(藤江直人 / Fujie Naoto)