原口元気「普通に先発から外された」 浦和で3812日ぶり“合唱”も胸中吐露「全然納得していない」【コラム】
PKにつながったチャンスは原口と関根の連係から生まれた
後半30分にMFサミュエル・グスタフソンとの交代で、ボランチとして投入された原口は、コンビを組む安居よりもはるかに前でプレーし、PK奪取につながるパスを出した場面をこう振り返った。 「もう点を取りにいくしかなかったので、ボランチの位置からドリブルで前へ進むプレーと、ちょっと前に入ってゴールに絡むプレーを意識していました。結果的にあの位置で受けて決勝点も生まれているので、やはり自分は前の選手だな、と思います。あそこに入っていくときが、自分としても一番わくわくするので」 さらに関根へのスルーパスは「結果オーライ、という感じでしたね」と思わず苦笑した。 「タカ(関根)の反応が一瞬、遅れたと思いましたけど、逆にタカが遅れたおかげでオフサイドにならなかった。タイミングが合っていれば、タカがシュートにいけるようなパスを意識していましたけど」 実はVARは関根がオフサイドか否かもチェックしていた。関根自身も「一瞬だけど、僕だよな、と思った」と映像チェックがはじまったときには、柏ボールでの再開も頭をよぎったと明かす。 「(原口)元気くんからパスが出てこないと思って、一瞬止まったおかげでオフサイドにならなかった」 ともに下部組織出身で、浦和に大きな愛を抱く原口と関根が音頭を取る形で、浦和は21日に選手だけのミーティングを開催。5シーズンぶりの4連敗を喫し、自動降格圏の18位のジュビロ磐田と勝ち点4ポイント差で迎える柏戦へ、思いを1つにしていた。原口がミーティング開催にいたった理由を明かす。 「何とかしなきゃいけない、という思いからですね。今日の試合は本当に相手も相手だったので、残留に向けてここを勝たないと本当にしんどい流れになるし、この流れは僕らでしか食い止められないので」 選手各々が腹をくくって、思いの丈を訴えた。そのなかで9月1日に約10年ぶりの復帰が決まり、ファン・サポーターを喜ばせた原口は、敵地・味の素スタジアムで東京ヴェルディに逆転負けを喫した19日の前節後に、場内を挨拶しているときにスタンドから投げかけられた言葉をチームメイトたちと共有した。 「サポーターの方々に『お前、何をしに帰ってきたんだよ』と言われたときに、僕も『確かにそうだな』と思ってしまった。サポーターの方々の気持ちは十分に理解できるし、それはチームのみんなにも伝えた。僕自身はいいものだと思っているし、一緒に戦えている、と感じながらプレーできるのは幸せですよね。だからこそ、いまは何だか1勝して喜んでいる場合でもないな、という思いがあります。何で残留争いをしているんだろう、と」