【日経平均株価考察】底堅い展開が続くが、過度な円安が重荷に
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。 ◆【画像】株価の動向を見る
日経平均は幅広く買われ反発
2024年6月28日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比241円54銭高の3万9583円08銭となりました。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が続伸していたことから日本株も買われました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸しており、東京市場でも、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなど、半導体関連銘柄が上昇しました。また、外国為替市場で円相場が一時1ドル=161円台に下落するなど円安・ドル高が進行していることから、自動車や機械など輸出関連銘柄が買われました。 今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。早いもので、今年も半年が過ぎました。振り返れば、日経平均は2月に、それまで34年間超えることができていなかった、バブル後最高値の3万8915円を突破。その後も上昇し、3月には4万0888円まで最高値が切り上がりました(いずれも終値ベース)。ところがその後は足踏みする展開が続いています。4~6月は786円安となり、四半期ベースで2023年7~9月以来の下げとなっています。 日本株の上値が重い理由の一つが急速に進む円安です。自動車や機械など輸出関連銘柄や海外で事業を行う企業にとっては、円安は追い風となります。ただし、長期の円安は輸入価格の上昇につながることから企業の業績に影響を与えます。 さらに、海外勢はドル建てで運用を行っていることから、円安になると収入が目減りします。これまで市場では、150円、155円、160円などのの段階で、「それ以上になれば政府・日銀の介入があるため、防波堤になる」と言われていましたが、比較的簡単に突破してしまいました。海外勢にとってはこれ以上円安にならないことが確実でない限り、なかなか積極的に投資ができないところです。引き続き、為替相場には注視が必要です。 とはいうものの、大きく売られる理由もないことから、日本株は今週も高値圏でのもみ合いが続くと思われます。3日には6月の米ISMサービス業景況感指数、5日には6月の米雇用統計が発表されます。内容を確認したいと、様子見傾向になることも考えられます。