日産が共同開発した「炎天下でも車内が暑くなりにくい塗装」がスゴイ! すでに同技術のボディカバーやシェードは販売されている
特別な塗装技術を活用したアクセサリーはすでに発売中
今回の実証実験では、「自動車への適用として、2021年からラディクール社と塗装の共同開発を進め、約3年間の開発期間を経て、一般的な自動車塗装に用いられるエアスプレーでの塗装に成功。また、塗装の欠けや剥がれ、傷、塩害などの化学反応に対する耐性、色の一貫性、修復性にも現時点で問題がないことも確認できた」という。 さらに、「自動車用塗装への適用として重要な要件のひとつとなる塗装膜厚は、同等の冷却性能を確保しつつ開発当初の120µm(0.12mm)から大幅な薄膜化に成功。現在、トラックや救急車など、炎天下においての走行が多い商用車への特装架装としての採用が検討されているが、商品化に向けてさらなる薄膜化に取り組み、今回の実証実験に至った」とのことだ。 「自動車用自己放射冷却塗装の効果と耐久性の検証では、羽田空港にて2023年11月から1年間の実証実験を実施。ラディクール社の日本法人の販売代理店を務める日本空港ビルデングの協力で、ANAエアポートサービスが空港で日常的に使用しているNV100クリッパーバンに当該塗料を塗装して評価を行ってきた」のだから、リアルワールドでの検証もしっかり行なわれてきたというわけだ。 つまり、日産が今回、実証実験を公開した自動車用自己放射冷却塗装が、我々が乗る日産車のサクラやアリア、リーフなどの電気自動車から、セレナ、ノート、エクストレイルといったクルマへの適応はまだ先になると考えられるが、じつはいますぐにでもラディクール技術を愛車に導入できる方法がある。 ひとつは、2021年11月から日産の純正アクセサリーとして発売されているラディクール素材を用いたサンシェードやハーフボディカバーを入手することだ。 意外なのは、ウインドウの内側に装着するのではなく、ウインドウの外、ボディのフロントウインドウからリヤウインドウにかけて装着するタイプとなっていること。日産調べによれば、一般的なサンシェードより駐車中の車室内温度を10度以上下げる効果があるとされているから、「マツコの知らない世界」でも紹介され、大注目され始めたラディクール技術、さすがである(使用環境により冷却効果は異なるそう)。 愛車は日産車じゃないから、日産純正アクセサリーのラディクール素材を用いたボディ外側のサンシェードやハーフボディカバーを付けるのはちょっと……。ラディクール技術を用いたサンシェードをウインドウ内側に使いたい……というなら、アフターマーケットにもあるラディクール素材を使ったサンシェードやカーテンを入手すればいい。 実際、筆者がこの夏から使っているのは、セイワから今年発売された傘タイプのフロントウインドウ用サンシェードIMP235「ワンタッチサンシェードM」(放射冷却素材とチタン銀コーティングでUV紫外線カット率99.9%以上、遮光効果99.99%以上。遮熱効果は63%以上でダッシュボードを保護)、そしてリヤサイドウインドウ用のサンシェードIMP277「楽らくマグネットカーテンL Radi-Cool」(2枚入り/UV紫外線カット率99.9%以上、遮光効果99.99%以上。遮熱効果は63%以上で車内を保護)である。 こちらは日産純正アクセサリーのものとは違い、一般的なサンシェード同様にウインドウ内側に、簡単に装着できるタイプとなっている。筆者の愛車は炎天下の屋外駐車だが、ラディクール技術を用いたサンシェードとカーテンをフロントウインドウとサイドウインドウに装着してから、クルマに乗り込む際、以前より車内の熱さ(暑さ)が緩和され、ステアリングが熱くて触れられない……ということもなくなっている。出先で車内にいながらサッと装着できるところもポイントだ。こちらも、今すぐにラディクール技術を愛車に導入できる方法のひとつである。 夏の暑さは9月いっぱいまで続くから、今から導入しても決して遅くはない(来年以降も酷暑の夏はやってくるし)。
青山尚暉