北海道人でも“なまら難しい”「忍路」「麻生」「濃昼」……難読地名の旅
THE PAGE地方版でおなじみの「難読地名シリーズ」。北海道は、アイヌ語に漢字を充てた地名が多いことから、非常に難読地名の多い場所です。北海道歴30年を超えている筆者(しかも北海道観光マスターという資格を持っている)ですら、「これは、読めないべ。なまら難しいっしょ」な地名の連続です。 というわけで、今回は北海道の難読地名紀行「札幌近郊編」と題して、札幌市・小樽市・石狩市の難読地名を紹介していきましょう。
「札幌代表」……茨戸・麻生・簾舞
まずは人口200万人に届こうかという北の大都市・札幌。まず「札幌」という地名ですが、これはアイヌ語で「乾いた大きい」「広大な」を意味する「サッ・ポロ」が由来と言われています。そして、皆さんが大好きな(?)ススキノも、本来は「薄野」と書きます。その名の通り、ススキばかりの野原だったとか。 その札幌の北区から2つほどいきましょう。「茨戸」は川の名前にもなっているのですが、何と読むかおわかりでしょうか? そのまま読むと「いばらと」「いばらへ」などと読みたくなりますが、正解は「ばらと」。「広い沼」を意味するアイヌ語「バラ・ト」から転じたといわれています。その「広い沼」とは、今の茨戸川のことでしょう、確かに大きな川なのです。続いて「麻生」。元首相の影響で「あそう」と読みたくなってしまいますが、正解は「あさぶ」。札幌市営地下鉄南北線の最北の駅名でもあります。しかしながら、東京の「麻布十番」につられてか、「あざぶ」と呼んでしまう人が続出、学生時代に地元の駅としてよく使用していた筆者も思いっきり「あざぶ」と呼んでいます……。 札幌市最後は「簾舞」。Microsoft Wordで一発変換されない悲しい地名です。これは、アイヌ語の「渓谷にある川」という意味の「ニセイオマップ」が語源で、変化しまくって「ミソマップ」という美味しそうな名前に変化、それが「みすまい」になりました。「簾」はもちろん「御簾」から連想された当て字なので、札幌市内で最難読地名かもしれません。