相次ぐ火災事故により、韓国ではEV(電気自動車)の販売が激減
政府もさまざまな措置を打ち出す
EVの火災事故は意外なところへも影響を及ぼしている。 2年前か3年前までは、EVはタクシー業界でも脚光を浴びていた。3日に1日は義務的に休まなければならない一般のタクシー車両と違って、EVタクシーは義務的な休務適用を受けず、毎日運行することが可能だったからだ。 それにEV車を購入する場合、政府や自治体から補助金もあり、一般車両に比べ維持費が安いこともタクシー業界にとっては魅力的であった。 しかし、2022年12月から一般車両には不利だった法人や個人タクシーの義務的休務制度が解除され、電気自動車の売上が減り始めた。今年の火災事故によりさらに販売は落ち込むことが予想されている。 結論として、最近のEVの火災事故を受けて政府ではさまざまな措置を打ち出している。まず、今後、韓国でEVを販売するメーカーは、バッテリーの主要情報の公開を義務づけられた。 まず、政府はEVのバッテリーの安定性を高めるために来年2月に導入する予定であった「電気自動車バッテリー認証制度」を10月に繰り上げて施行する。電気自動車の無償点検を毎年実施し、バッテリー管理システム(BMS)と充電システムの改善、地下駐車場のスプリンクラー設置など、消防施設も充実させる。 またメーカーには、EVに搭載したバッテリーの情報公開を義務付け、来年からPL保険(製造物賠償責任保険)に加入していない自動車メーカーにはEV補助金の支給から除外するとした。さらに政府は、PL保険加入の義務付けと充電器メーカーにも無過失責任保険への加入を義務付けることを推進させる予定だ。 韓国でのEV車の普及の進み具合いには今後も注目していきたい。
アン・ヨンヒ