「公式アイテムですので!」〝虚無顔〟のサカバンバスピスをマスコットに 交渉して「忠実に再現しました」
丸い目に、開いた口……。虚無感のある表情をした古代魚の「サカバンバスピス」。このたび、模型を忠実に再現し、模型の制作者側とライセンス契約をした「公式アイテム」のマスコットが発売され、SNSでも話題になりました。「公式アイテム」として販売した経緯を聞きました。 【画像】かわいい?虚無感?サカバンバスピスの模型はこちら
商品化に著作権の問題も
先日、カプセルトイの会社「株式会社いきもん」がXに投稿したマスコットのポストが話題になっていました。 そこには「手のひらサイズのふわふわなサカバンバスピスはいかがですか?」との文言が。 「正面顔みてください。お口、ただの三角ではないんですよ。微妙にギザギザしてるの表現してあるんです。公式アイテムですので!」とも書いてあります。 この、ときどきネット上でも話題になる古代魚「サカバンバスピス」は、古生代のオルドビス紀(約4億6000万年前)に生息していた魚類で、すでに絶滅しています。ボリビアのオルドビス紀の地層から化石が発見されました。 その模型はフィンランドのヘルシンキ自然史博物館に展示されていて、「なんともいえない表情」「虚無感のある顔」などと言われ、人気になっています。 サカバンバスピス好きの記者もさっそく、東京都内でこのカプセルトイを探し、購入してみることに。水色やピンク、模型と同じようなグレーっぽい色をした4種類があるそうです。 「やっぱりこの模型と同じ色のものがほしい」と強く念じながらレバーを回すと、「カラン」とカプセルが落ちてきました。なんと、願い通り模型の同じ色のマスコットで思わず小躍りしてしまいました。 人気ゆえに模型に似たアイテムが様々な会社から発売されているのですが、以前から著作権の問題などが浮上していました。 ただ、今回発売されたカプセルトイのマスコットはなんと「公式アイテム」とのこと。販売の経緯について、カプセルトイを販売する「株式会社いきもん」に聞きました。
交渉重ねてライセンス契約
担当者は「去年の6月ごろ、SNSでサカバンバスピスの模型の画像が話題になっていました。そこで、模型を忠実に再現したアイテムを製作しようとすぐに企画が持ち上がりました」と教えてくれました。 ただ、ヘルシンキ博物館のサカバンバスピスの模型をアイテム化するには、作者の許可が必要な気がします。 「うちではパロディ商品や似せただけのようなものはなく、必ず制作者や作者に許諾を得たものを発売しています」と担当者。 「生き物としてのサカバンバスピスではなく模型を忠実に再現すること」を目的としていたので、作者に連絡して公式的に作るほうが良いと考えたといいます。 詳細については明らかにできないとのことですが、模型の製作者の息子のSimo Markさん側に連絡をとり、少しずつ交渉を重ね、ライセンス契約に至ったということでした。 このライセンス契約とは、外部の企業がその対象物の名前やイメージを使って商品を作っても良いということを許諾する契約だそうです。 「SNSで注目を集めている生き物を最速で商品化できればと、企画担当者や生産担当者が頑張って契約にこぎ着けました」