付き合っていないのに同居スタート!? “ウィンウィン”の関係から始まった二人が夫婦になるまで
入籍日はお互いの母親から提案
梢さんは地元の愛媛県四国中央市でオペラコンサートを主催した際に、嘉彦さんを家族に紹介。大学時代以降を過ごした広島にも足を運び、お好み焼きや担々麺のガイド役を買って出た。 嘉彦さんの実家を訪れた際には、近くの浜松市楽器博物館(静岡県)で一緒に馬頭琴などの演奏体験も。われを忘れて楽しんで、音楽家らしい形で愛を深めた。 プロポーズの儀式はなかったが、同居生活が3年たって結婚を意識する中、入籍日は二人の母同士が相談して提案。当の二人は同居開始の7月1日を想定していたが、占い好きで意気投合した“母連合”は「1日は良くないよ」。二人は提案されたうち、第2候補日の7月20日を選んで入籍した。 母連合が最良の日としていたのは7月26日。それは「日伊声楽コンコルソ(注・コンクールの意)」の本選日だった。出場した嘉彦さんは見事に1位と歌曲賞を獲得。母連合による「良き日」という占いはあながち間違っていなかったのだ。 海外留学経験のない二人は、イタリア留学を視野に入れる。嘉彦さんは、日本では重みが足らないと見られがちだという若手のバリトン歌手の道を広げる活動をしたい由。二期会のオペラでの共演も夢の一つだ。渡航前の披露宴も考えつつ、「イタリアで刺激を受けてきたいです」と梢さん。 国境を越えて息と声とを合わせる二人に幸あれ。
「週刊新潮」2024年10月17日号 掲載
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