ビートルの元は軍用車だった? 庶民でもクルマが買える世の中にするために作られたクルマ達
■軽量化のためにRRレイアウトにしたフィアット500
ルパン三世でお馴染みフィアット500も国民車だ。現行の500のデザインも相まってか、有名な500が初代と思われてしまうかもしれないが、実はこのモデルは2代目なのだ。 ただ、より小さく安価で多くの人に求めやすく…そんな国民車としてのコンセプトを掲げて開発された背景がある。初代と2代目では目指したところが違うとも言えるだろう。 1955年に登場した2代目、空冷2気筒をモノコックボディのRRレイアウトに搭載する…というあたりはスバル360と同じだ。こちらも軽量化を重視したがその一環としてキャンバストップが採用されていた。 オシャレなイメージがあるキャンバストップだが、実は性能を求めた結果生まれたアイデアなのだ。それが復活した500でも生きているのだから面白い。 実は当初は非力すぎるという理由でセールスは振るわなかったらしい。改良を施しバリエーションを増やすことにより、1960年代には国民車として広く普及することが出来た。 他にも国民車として名前が挙げられるモデルはいくつかあるが、今回取り上げた3モデルに共通していることは空冷エンジンとRRレイアウトといったところだろうか。 時代的にも水冷はまだ信頼性が十分でなかったため、堅牢でコスト的にも有利な空冷エンジンが採用され、FFという駆動方式が技術的に確立される前だったのでRRレイアウトで車内空間を確保したといったところが共通点と言える。 安くて、頑丈で、スペースが取れる。そんなクルマが国民車として求められたのだ。