大型バイク駆る中高年ライダー 「余裕」があこがれを形に
「ハーレー購入したときは感動した」
中高年はなぜバイクに乗るのか。このグループで香川県から国産の1100CCバイクで駆け付けたという美容師の男性(58)は「大型バイクは10年目。中高年になって生活にいろいろ余裕が出てきたので、生活に生かそうとバイクに乗ることにした」と話しました。 東京からバイクで霧ヶ峰に来るのは3回目という会社員男性(57)は、1800CCのハーレーで夫婦のタンデム(2人乗り)ツーリング。3匹の愛犬が同乗することもあるといいます。大型バイクはやはり10年目。「中型免許(普通二輪)を取りに行ったら、教習所で大型を勧められ、中型免許から大型免許獲得まで2週間かけました」と馴れ初めを披露。「あこがれのハーレーを購入したときは感動した。仕事など日常の生活をこなしながら、たまに乗るから楽しいんですね」。 山梨県から来たという年金暮らしの元警察官の男性(75)は「10年前に大型バイクの免許を取った。年を取らないためですよ」。現役の生活を離れてから見つけたのは「バイクでの自由な旅と読書の楽しさだった」。読書は、ただ楽しい小説などに関心はなく、「哲学、歴史など、こちらに問いかけてきて一生懸命考えさせる本しか読まない。また、そういう本こそ楽しいんです」。漢詩にも強い興味があり、「読み上げて感動する詩も多い」と話していました。
仕事や子育てが一段落、時間と経済的に余裕
中高年ライダーの多くは、退職やバイクへの関心などをきっかけに大型免許取得や大型バイクの購入に乗り出しているようです。その動機は「自分の時間を持てるようになったので、自由な人生と楽しみを見つけたい」ところにありそう。また、仕事が現役の人は、忙しい毎日を送っている中で気分転換できる自分の時間を持ちたいという気持ちがありそうです。 いずれも子育てや仕事が一段落したり、仕事があっても中高年になってからの経済的な余裕を生かして「自分らしい生活」を取り戻そうとするチャレンジの一環。それにはタンデムツーリングに加わってくれるなど、「お父さん」の希望を受け入れてくれる家族らの理解もあるようです。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説