望海風斗さん、ゆりやんレトリィバァさん、山本一力さん、吉行和子さんに聞いた「悩んだ時に支えてくれる私の《お守り言葉》」
小さな幸せを見逃さずに、運を引き寄せる人になるには、ただじっと待っているだけではダメ。大切なのはちょっとした行動と、変化を受け入れることです。第一線で活躍を続ける人は、困難が降りかかった時、どのような言葉に後押しされて一歩を踏み出し、運を引き寄せてきたのでしょうか。それぞれの珠玉の一言を紹介します * * * * * * * ◆「プライスレス」……望海風斗さん(俳優) 自分を奮い立たせる言葉として大事にしているのは、「プライスレス」です。 舞台は、一人ではできません。キャストやスタッフなどの協力はもちろんのこと、見る人の心を動かさないと完成しないもの。チケット代を払って足を運んでくださるお客様に、現実を忘れるくらいの「プライスレス」な体験をお届けしたい。 そう思いながら、日々稽古に取り組んでいます。 1回の公演で役の人生を生き切り、次の回ではまた新たな自分をお見せすることで、劇場に来ないと味わえない感動を生み出したいです。
◆「大丈夫、大丈夫。しんどいだけだから」…… ゆりやんレトリィバァさん(お笑い芸人・歌手・女優) 体づくりのトレーニング中、岡部友先生がかけてくれる言葉です。 冷酷なようにも聞こえますが、「あ、たしかにそうか」と納得できて、あと1回いけるかも! と気合いが入ります。 おかげで最近は心の持ちようまで変わり、悩み事があっても気楽に考えられるようになりました。 減量中にお腹がすいたと弱音を吐いた時、「がんばれ」ではなく「当たり前だよ」と言ってくれる先生に、いつも感謝しています。
◆「決める。」…… 山本一力さん(作家) 言葉は単純だけれども、これを続けるのは大変なんだ。今より一歩先に行くには、本当に「決めて」ないとできない。 ただ、人ってそんなに強いもんじゃないから、すぐに意気地がなくなって、体を丸くして巣籠もりしたいと思ってしまう。ここで中途半端だと、自分を騙そうとして「時間がないだけだよ」というふうに山ほど言い訳をはじめるんだよ。でも覚悟ができてさえいれば、ぐちゃぐちゃ迷っていても「オレ、決めてんだよな」というところにスッと立ち戻れる。 物書きは、始終迷いの連続だ。自分の主張をしたいがために相手を道具にしていないか。本当にテーマに対してのめりこんでいるのか。 それでも毎日続けられるのは「書く」と決めているから。もちろん進まない日もある。その時はいったん休みはするけれども、「書く」という軸はくるっていない。大事なのは「決める。」を決めているか。それを自分に問うことなんだ。
◆「人生は不思議」…… 吉行和子さん(女優) これだけ長く生きていますと、やはり人生は不思議というのが実感です。 何が起こっても、《不思議》なことだな、と思って、乗り切ってきました。 予想以上の喜び、予想以上の裏切り、その度に、うれしがったり、落ち込んだりしていては、とても身が持ちません。 これは、不思議なことが起ったんだと思うのが、いちばん精神衛生上いいのではないでしょうか。
婦人公論編集部