ヤクルト首位でセ界が再び全チーム貯金ゼロの異変
ヤクルトが2日、神宮で行われた阪神戦に山田の2本塁打などで10-1の圧勝、4連勝で勝率を5割に戻して貯金ゼロでありながら4月29日以来となる首位に立った。唯一貯金があった阪神も3連敗して5割に後退。全チームが貯金ゼロという6月23日以来の異変が再び“セ界”に起きた。 広島に連敗して3位に転落した巨人が借金「2」、4位の横浜DeNAと、5位の広島が共に借金「3」で並び、中日だけが少し取り残されたが(それでも首位と4.5差)、首位から5位までが、なんと1.5差の中でシノギを削るという空前絶後の団子状態となった。 そもそもは、阪神以外のセのチームが交流戦でパに負け越したことに起因する現象だが、6月23日時点で、首位にいた巨人が、そこから2勝4敗、一方、下位にいたヤクルトが6勝1敗と数字を伸ばしたことで、再び全チーム貯金ゼロの異変状態に舞い戻った。 阪神が首位に立った時点では、チームの打率、防御率、得点、失点、本塁打、盗塁の6部門すべてがセ・リーグ最下位だったことが、注目を浴びてしまったが、ヤクルトだって防御率、得点、本塁打では、2位につけているが、リーグトップの部門はひとつもない。つまり、ヤクルトから5位の広島まで、どのチームが3連戦後に首位に立っていてもおかしくないのである。 「ヤクルトは交流戦後、打ち勝っているイメージが強い。山田、川端、畠山ら調子のいい打者に引っ張られ、ロマン、オンドルセク、バーネットという後ろを任せる3人に安定感があって投打のバランスが取れ始めた。ただ全チーム貯金ゼロの状況を俯瞰で見ると、巨人、横浜DeNAら、これまで上位にいたチームが落ちてきて押し出された感もある。 いずれにしろ、まだ特定のチームに大きなアドバンテージは見えない。3連戦で3連勝すれば、順位が、簡単に入れ替わる状況。中日も含めて、どのチームにも優勝の可能性がある」とは、元千葉ロッテの里崎智也氏の見立て。