“悪童”ネリがまた計量超過ミスも井上尚弥戦実現のためパヤノをKO宣言!
パヤノは、昨年10月に横浜アリーナで行われたWBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)の1回戦で現在、WBA、IBF同級王者の井上尚弥(26、大橋)に70秒で瞬殺された。衝撃的なKO負けを喫しているだけに、王座復帰、井上尚弥戦を目論むネリにすれば、この試合では勝敗だけでなく内容も問われるだろう。 2日前の記者会見時にネリは現地メディアのインタビューに答え、「井上がパヤノを1ラウンドでノックアウトしたことは知っている。その試合で井上とパヤノのコンディションがどのようなものだったかわからないし、知らない。パヤノは風邪をひいていたか、ウォームアップがうまくできなかったかもわからない」と、井上vsパヤノ戦を分析。 その上で「今回、(井上と同じ)1ラウンドでノックアウトできるか予測できないが、必ずノックアウトする。ノックアウトに時間がかかっても、それでもいい」とKO宣言をしている。 そしてパヤノをKOで葬る戦略については、隠し立てすることなく、こう熱弁した。 「作戦はプレッシャー、プレッシャー、プレッシャー。パヤノはベテランで動いてボクシングをするだろう。彼は12ラウンドの戦いを望むとしても、自分たちはそうするだけだ。中に入ってプレッシャーをかけていく。彼は動いてパンチを当てるのが難しい角度になるだろう」 ネリが予測するパヤノの出方も彼のKO計画もおそらくは正しい。ネリの爆発力に巻き込まれたら“ひとたまりもない”と警戒するパヤノは、足を使うアウトボクシングと、出入りで、ネリを空回りさせ、ペースをつかんでいく戦略だろう。だが、ネリは強引なインファイトでねじふせることを考えている。 5階級王者、ノニト・ドネア(36、フィリピン)とのWBSS決勝を控える井上尚弥も父で専属トレーナーの真吾氏も揃って「パヤノに勝って欲しい」と、パヤノに応援エールを送ってきた。 ネリが、この試合に勝ち、拓真がウーバーリとの統一戦に勝てば、ネリとの指名試合が現実化する可能性がある。そのため真吾トレーナーは、「あれだけルールを破ってきたボクサーとできるならやりたくありませんよ。そんなのスポーツではない」と拒否反応を示しているが、ネリのKO決着は、どうも揺るぎそうにない。 パヤノはキャリア豊富だが、ネリのパワーを空回りさせるほどの上手さとスピードはない。 ネリは井上尚弥との対戦についても「彼と戦うことに興味があるのは明らかだ。彼と戦う前に(WBC世界バンタム級の)タイトルを取らねばならないなど、いくつかやることがあるが、彼との戦いには絶対的な興味がある。なるべく早くたどり着くようにしたい」と断言。 WBCのベルトを再び腰に巻いてからバンタムの頂上決戦として井上尚弥と拳を交えたいという意向を表明している。 日本のボクシングファンにとってみれば、ネリvsパヤノのWBCベルトへの挑戦権を賭けた戦いは、復帰後のパッキャオが真価を問われるサーマンとの王座統一戦以上に注目のカードかもしれない。