新潟、ルヴァン杯初の決勝進出へ準決勝第1戦で川崎に熱き快勝。9年前の涙を知る舞行龍ジェームズらが込めた秘めたる想い
川崎との第1戦をまずは4-1で制す
[ルヴァン杯・準決勝第1戦]新潟 4-1 川崎/10月9日/デンカビッグスワンスタジアム 【動画】新潟×川崎ハイライト ルヴァンカップの準決勝第1戦が行なわれ、初の決勝進出を目指す新潟がホームで川崎を4-1で下し、先勝を果たした。第2戦は10月13日(日)に川崎のホーム・等々力で行なわれる 新潟にとっては快勝と称せるゲームであった。序盤からコンパクトな守備で川崎のリズムを下し、奪えば的確につないでフィニッシュに持ち込む。 FW谷口海斗、FW太田修介のゴールで前半、2点のリードを得ると、後半も勢いよく攻め込んでMF長谷川元希、MF星雄次の加点で53分までに4-0と突き放す。 終盤にセットプレーから1点を返されたのは課題であったが、クラブ悲願の決勝進出へ、そして悲願のJ1でのタイトル獲得へ、大きな弾みをつけたと言えるだろう。 もっともこの勝利を掴むまでには苦しんだ。リーグ戦では計15失点を喫するなど4連敗中。9月27日にはアウェーの地で川崎に1-5で悔しき敗戦を突きつけられていた。 そんな厳しい状況にあったが、ルヴァンカップ決勝進出に向けて、チームは一致団結していたという。 「もう一度自分たちが目指しているところはどこなのか再確認しました。攻撃だったら立ち位置をしっかり取ったうえで、自分たちの良さを出していく。守備のところではまず切り替えの部分ももちろんそうですが、相手に押し込まれたらまず自分の守るべきスペースを守ってから、前向きな守備で出て行こうと本当に基本的なところを意識しました」 ボランチの秋山裕紀の言葉通り、基本に立ち返った新潟は、川崎戦で決勝への想いを力強く表現したと評せるだろう。 ゴールを奪った太田修介も続ける。 「今日はトランジションのところをみんなで意識していて、攻撃しているなかでも上手くバランスを取りながら、間延びして失点するのが最近の課題であったので、攻守でそこを意識しました。そして攻撃では幅を持ちながらできていたと思います」 もっとも終わったのは第1戦だ。 太田も「引き締まるというか(決勝が)手の届くところにあるので、それを絶対に掴み取る意識で調整して臨みたいです。(第2戦)絶対に勝って、0-0からスタートだと思って決勝に行きたいです。(川崎に1ー5で敗れた試合を)まだやり返し切れていないので」と決意する。 新潟は2015年にもルヴァンカップで準決勝まで勝ち進み、第1戦はホームでG大阪に2-1で勝利。しかし、アウェーの第2戦で0-2で敗れ、涙を飲んだ過去がある。 このゲームを経験しているCB舞行龍ジェームズの想いも強い。 「自分も9年前かな、準決勝で、ホームで勝って、アウェーでガンバに負けてしまって決勝に結局行けなかった。みんなを決勝に連れて行きたいですし、決勝の舞台を新潟の皆さんと一緒に戦ってタイトルを勝ち取りたい」 その意味でも舞行龍も古巣・川崎との第2戦へ覚悟を示す。 「川崎には1-5で完敗したので、その借りはまだ返せていない。向こうでもしっかり戦って勝って決勝に進みたい。全員がそういう気持ちを持って戦いたい。今日もだけど、同じ形でもったいない失点をしている。特に今年は多いのでそういう癖をなくさないと」 果たして新潟は初の決勝進出を手にすることができるのか。選手たちは快勝に慢心せず、支えてくれるサポーターとともに、第2戦へと臨む。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)