原爆資料館の入館者数、過去最多ペース 2024年度上期118万8千人 ノーベル平和賞受け初の200万人超えも
原爆資料館(広島市中区)の本年度上半期(4~9月)の入館者数が118万8065人に上り、年間で過去最多だった昨年度の同期より15%増えたことが17日、市の集計で分かった。年200万人を初めて上回るペース。市は日本被団協のノーベル平和賞受賞決定で今後も多くの来館が見込まれるとみて、混雑対策に一層力を入れる。 ノーベル平和賞に日本被団協【みるニュースWeb】 市によると、外国人は全体の3割超を占める約38万6千人で、昨年同期比3・7%増だった。全体の月別最多は、大型連休のあった5月の約23万7千人。「原爆の日」がある8月は約22万人だった。入館の待ち時間が30分を超えたのは4、8月に各2日、5月に1日の計5日。うち8月はお盆時期で、各60分、50分待ちとなった。 昨年度は、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開催や円安効果により、198万1782人が訪れた。お盆には120分待ちが3日、90分待ちが6日あり、混雑対策が課題になった。 市は3月の入館分からオンラインによるチケット販売を始め、4~9月は入館者の40・5%が利用した。一方、予約枠を設けて開館時間を朝夕各1時間延ばしたが、利用者は上限(1日1200人)に対し26・1%にとどまっている。市は「入館待ちは大きく減少したが、まだ周知を図る必要がある」とする。 新たな混雑対策として、オンライン販売の案内や混み合う時間帯を知らせる日英両言語のチラシを製作。17日に市内のホテルや修学旅行の関連団体などへの配布を始めた。市平和推進課は「被爆の実態を知ってもらうため、展示をじっくり見てもらえる環境整備に取り組む」としている。
中国新聞社