突如告げられた“戦力外”…結婚1年目で「頭が真っ白に」 気丈に振舞う妻が「有難かった」【インタビュー】
カターレ富山MF坪川潤之の紆余曲折を経たプロ生活
J3カターレ富山に所属するMF坪川潤之は大学時代、試合や練習中に吐き気、動悸に見舞われる症状を起こし、プロ入りから5年経った今も、ストレスから来るその症状と向き合い続けている。Jデビューを飾った2020年からのキャリアは平坦ではなく、プロ3年目のシーズン後に契約満了を告げられてトライアウト出場も経験した。苦難を乗り越え、今に至るまでの背景に迫った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓) 【写真】「攻めてる」「富山の本気!」 富山が発表したまさかの”Xライン”ユニフォーム ◇ ◇ ◇ 現役選手の歩みはさまざまで、順風なキャリアもあれば、苦労の多き道を辿る者もいる。坪川の歩みは、まさに後者だ。東洋大2年時、トップチームでプレーする重圧に晒される中で、試合や練習中に吐き気や動悸を起こす症状が現れ始めた。ついには試合中に嘔吐してしまい「なんとかしないといけない」と改善策を探るも、病院での診察結果は“異常なし”。不安ばかりが募った。 それでも、2020年にJ3のAC長野パルセイロへ入団後、代理人の「メンタルのスポーツコーチング受けてみないか」のアドバイスにより、症状は緩和へと向かった。いまだに吐き気に襲われることはあるが「プレッシャーがむしろワクワクする」(坪川)というスタンスへ。メンタル面をコントロールすることで緊張感から来るストレスと上手く向き合えるようになった。 そんな坪川が歩んだここまでのプロキャリアは平坦ではなかった。最初に訪れた試練は大卒ルーキーとしてプレーした長野での1年目。「サッカー人生で初めて」という右膝内側靭帯損傷の大怪我に見舞われた時だ。 当時チームはシーズン終盤までJ2昇格の可能性を残していた。坪川は出番を掴み、リーグ戦で30試合に出場。しかし、残り4試合というタイミングで見舞われたまさかの大怪我。結果的に、長野はJ2昇格を逃し、ステップアップを思い描いた坪川のキャリアプランも崩れた。 「自分の中ではかなりショックでした。プロ1年目でJ2に上がれるっていうのは、僕の描いていたキャリアの流れではあったので……。右膝の内側靭帯を損傷して、そこから結局、半年ぐらいはプレーできなかったんですけど、自分の力ではもうどうしようもできない。チームもなかなか最後勝てなくて、J2に上がれなかったのは悔しかったですね」 プロ2年目となる翌年はリーグ戦で22試合、翌々年は27試合に出場した。さらなる飛躍を目指していた2022年のシーズン終了後、クラブ側から予想だにしない通告を受けた。