石川遼“無の境地”でZOZOチャンピオンシップ開幕へ 松坂大輔氏“超一流との交流”に収穫
男子ゴルフで国内ツアー通算19勝の石川遼(33=CASIO)が“無の境地”で、世界のトップレベルに挑む。日本で開催される唯一の米国男子ツアー(PGA)、ZOZOチャンピオンシップ開幕を翌日に控えた23日、会場の千葉・習志野CCで行われたプロアマ戦に出場。同組となった元プロ野球選手の松坂大輔氏らと、18ホールを回った。1番パー4で、難しい下り4メートルのパットを決めてバーディーを奪うと、松坂氏から「ナイスバーディー!」と声をかけられ、笑顔を見せた。プロ顔負けの飛距離を誇るなど、ゴルフの腕前も一流の松坂氏が「あれでいいんだ」とうなるほど、繊細な優しいタッチ、抜群の距離感で決めたパットだった。 【写真】笑顔で話し込んだ松坂大輔氏と石川遼 昨年大会は、14人が出場した日本人選手の最上位となる4位と好結果を残した。トップ10入りしたことで、メキシコで行われたPGAの次戦、ワールドワイドテクノロジー選手権の出場権を獲得。再びPGAを主戦場とする道を模索するため、昨年大会最終日のホールアウト後には、同選手権に出場の意向を示した。実際に出場し、結果は予選落ちだったが、PGAへの思いは変わらず強い。 それでもこの日、報道陣に応じた石川は、昨年と同じく今大会でトップ10に入り、海を渡る考えか問われると、淡々と語った。「去年も全然。3日目が終わった時に『明日、何位だったら来週』とか考えていなかった。今年も、そこに関しては『無』というか。今、言われて思い出して。『そうだったな』という感じですね。特に『それがゴールです』とか『それが最低限の目標です』とか、そういうことでもないです。そこに対しては、何もない、何も決めていない、という感じです」。あくまでも目の前の今大会だけを見据えている。 その今大会も「目標としては、日曜日に向けて『今日よりも良くなっていくこと』ということ。スコアが良くなっていくことではなく、自分の中で良くなることというのが目標」と、順位やスコアといった目に見える部分以上に、感覚として前進できているかどうかを重視していく方針だ。 松坂氏とのラウンドでも「超一流の方の感覚の部分に触れられた」と、収穫を口にした。野球の投球動作とゴルフのスイングには、求められているものとしては、似たものがあるという同氏との共通見解などで、話が盛り上がったという。自然体の“無の境地”“超一流との交流”なども力に変え、大会を盛り上げていくつもりだ。【高田文太】