【特集|長岡と能登をつなぐ】小学生が復興の願いを花火に託し…「打ち上げ開始!」【新潟・長岡市】
能登半島地震から間もなく1年、石川の被災地を勇気づけようと立ち上がったのは中越地震について学んだ長岡市の小学生です。募金活動を通じて花火を製作し、復興の願いを込めて打ち上げました。 長岡花火は、震災からの復興を願う花火でもあります。中越地震のあと打ち上げが始まった『フェニックス』はその象徴です。 長岡市の豊田小学校。6年生は2024年4月から、総合学習で能登半島地震の被災者に何ができるかを考えてきました。 ■豊田小学校6年生 「私たちの復興の願いを花火に託し、石川の方々を応援したいと思い、このフェニックスプロジェクトを始めました。」 長岡花火の歴史や中越地震について学んだ児童たちが、石川県七尾市で復興を願う花火の打ち上げを企画しました。 7月からは、募金活動を開始。3500人以上の市民や団体の協力を得て、打ち上げ資金を集めました。 ■豊田小学校6年生 「被災地の人たちが地震で大変な影響を受けて悲しんでいる時に花火を上げて、みんな笑顔になってくれたらいいなって思っています。」 花火は、新潟市や小千谷市などの業者が製作。石川の花火師が打ち上げることになりました。 ■新潟煙火工業 小泉欽一社長 「すでに中越地震を知らない世代なわけじゃないですか。そういう子供たちが、自分たちにとっても元気になるもとだったりするものを使って、被災した人たちに元気を与えたいっていう気持ち・心意気みたいなものが継承されていて、それをちゃんと外に発信できるっていう力が/もうそれを持ってるっていうのはね、すごいと思いますよね。」 プロジェクトを通して交流も生まれました。石川県七尾市の小丸山小の児童たちと協力することになり、オンラインで話し合いながら準備を進めてきました。 ■小丸山小学校6年生 「地震で被災した人々に募金を呼び掛けていいのかと悩んだこともありましたが、町の人は『がんばってね』とぼくたちの活動を応援してくれました。」 ■豊田小学校6年生 「石川の被災した方々のすべての人の平和を願って、花火の打ち上げを絶対成功させましょう。」 迎えた〝打ち上げ当日〟。 豊田小の児童は、バスで4時間以上かけて七尾市に移動しました。 初めての対面- 小丸山小の児童たちと対面で会うのは、初めて。花火の打ち上げを前に、交流を深めました。 元日の能登半島地震で、七尾市は震度6強を観測。小丸山小の校舎も玄関のタイルが割れるなど、被害を受けました。 ■小丸山小学校6年生 「めっちゃ大変だった。Jアラートの音がトラウマ。ずっと何回も余震が続いて、水害もあってちょっと。」 自宅以外から学校に通う児童たちもいます。それでも、花火の打ち上げを目指して準備を進めてきました。 ■小丸山小学校6年生 「たのしみ!うれしいし楽しみ!」 「成功してほしい!」 ■豊田小学校6年生 「いままで頑張ってきた仲間たちと花火を一緒に見られるので、とても楽しみです。」 豊田小の児童たちが訪れたのは、能登有数の温泉地『和倉温泉』。地震から間もなく1年。その爪痕は残されたまま・・・復旧は道半ばです。 ■旅館関係者 「玄関がガタガタになったり、柱が倒れたり、上からガラスやタイルが落ちてきたところがあります。」 和倉温泉に21ある宿泊施設のうち、営業を再開できているのは4つのみです。 ■豊田小学校6年生 「こわかったと思う。」 「ここまでなるなんて思ってなかったからすごく怖かったし、ここに住んでいた人たちもすごく不安だっただろうなと思っていて、いまもそういう気持ちだと思うから花火で元気づけたい。」 午後5時- 長岡と七尾の児童たちが見守る中、いよいよ、花火の打ち上げです。 「打ち上げ開始でございます!」 約300発の花火が、夜空を彩りました。 ■新潟煙火工業 小泉欽一社長 「すごくいい笑顔でしたね。ほんとに見てる最中にね、いろんな掛け声をかけながら、それぞれの楽しみ方、笑顔とか勇気がこう肌で感じれたというか、すごく良かったと思います。花火師冥利に尽きる。いい花火だったと思います。」 ■小丸山小学校6年生 「すごい元気になったなと思いました。被災した人も元気出たと思います。」 「めっちゃきれいで大きくて最高でした。」 「(能登の人たちに)届いたと思います。」 ■豊田小学校6年生 「花火を見ているときもみんな楽しそうに見ていたので、本当にうれしかったです。」 「ここまで頑張ってきた甲斐があったと思いました。この花火を見て笑顔になってくれた人たちに復興を頑張ってほしい。」 復興を願う花火が、長岡と能登をつなぎました。