大谷翔平、規格外の「つなぐ」意識 ランナーがいても…“ドジャースの2番”として辿り着いた「セオリーにとらわれすぎない思考法」
本能が向かうベクトルは、勝つこと以外にない
昨年12月14日、ドジャースへの入団会見に臨んだ大谷は、「勝つことが今の僕にとって一番大事なこと」と、真正面を見据えて言い切った。今年7月5日で30歳。「僕自身、野球選手としてあとどれくらいできるか、誰も分からない」とも言った。日米を問わず、ファンやメディアは、常に大谷の個人成績に注目し、一喜一憂する。もちろん、大谷にすれば、周囲の期待に応えたい気持ちは誰よりも強い。だが、本能が向かうベクトルは、勝つこと以外にない。 「優勝することを目指して、そこで欠かせなかったと言われる存在になりたい」 エンゼルス時代と同じ思いだとしても、大谷の言葉のニュアンスは、確実に変わっていた。
セオリーを超越した「つなぎ」の意識
打者として飛距離140メートル、打球速度190キロの豪快弾、投手としても球速160キロ越えなど、投打にわたって能力が傑出していることは、いまさら言うまでもない。 ただ、大谷ほど、チームの勝利に固執している選手も多くはない。ドジャース移籍以来、大谷のチーム打撃への意識は、より顕著になった。1番ムーキー・ベッツがメジャートップの出塁率.459(5日終了時)を残していることもあり、シーズン序盤は「引っ張り」の進塁打を意識するあまり、打撃フォームを崩す傾向も見られた。だが、デーブ・ロバーツ監督との話し合いを経たことで、セオリーにとらわれすぎない思考に活路を見出した。必ずしも外角球を強引に引っ張って走者を進めるのではなく、コースに対応する打撃スタイルもOK。ロバーツ監督が「ストライクゾーンをコントロールできるようになった」と評価する通り、四球を含め、大谷の「つなぎ」の意識が、打線全体の得点力アップにつながり始めた。
走者・大谷に見える「次の塁」への強い意識
バットだけでなく、これまで以上に、大谷の走塁への意識が高まったのも、偶然ではない。4月29日の敵地ダイヤモンドバックス戦では、1回1死一、二塁の状況で、二塁走者として盗塁を三度試みた。結果的にファウル2回と併殺打で遂行はされなかったものの、先制点を狙う意識と相手バッテリーを揺さぶる動きは、昨季までとは明らかに違っていた。 そもそも大谷、ベッツにはチームから「グリーンライト(盗塁許可)」が与えられている。エンゼルス時代から大谷を知るディノ・エベル三塁ベースコーチは、 状況判断の秀逸さに絶対的な信頼を置く。
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