〈健康な生き方の科学〉自分自身を「やっていることや持っているもの」でしか評価できない人に知ってほしいこと
生まれながらにある「Being」
現実の私を、理想の私が評価するこの「私同士」のつながりはつねに緊張関係になり、どんどん疲弊していく。自分を褒められるのは努力をしたときや成果を出したときだけになり、それ以外は無視をしてしまう。これでは、この先もずっと自分を許すことができない。 「私」を好きでいられるためには、自分自身とのつながり方を変える必要がある。そのときに大切なのが、DoingでもHavingでもない第3の視点「Being」だ。Beingとは、「存在そのもの」のこと。 1 Doing 行動や行為 2 Having 持っているもの 3 Being 存在そのもの 何をしていようが(Doing)、何を持っていようが(Having)、自分が存在していることそのものがBeingだ。良いところも、悪いところも、すべて含めた「ありのまま」の姿こそがBeingで、自己受容とはそんなありのままの自分を受け入れることなのだ。 大抵の親は、子供のBeingを受け入れ、愛しく思っているはずだ。子供の成績が悪かろうと、学校で問題を起こそうと、犯罪を犯してしまったときでさえ、その子を見捨てたりはしない。 これはその子の存在そのものであるBeingが愛しいからだ。 もしも親が子供のDoingやHavingばかり見て否定し続けたなら、子供はその親からやがて離れていくだろう。 子供の安心感は、自分の存在そのものを親が受け入れてくれることで生まれる。「何をしたか、何を持っているか」で褒められたり、叱られたりするのではなく、どんなときも親が自分の「味方」であると感じたときに心から安心し、自己受容感が高まるものだ。 写真/shutterstock
---------- 石村友見(いしむらともみ) 劇団四季で『ライオンキング』に出演後、単身ニューヨークに渡り、ブロードウェイ・ミュージカル『ミス・サイゴン』に出演。その後ヨガスタジオを設立し、レッスンからヨガ講師の育成まで尽力。2018年に発表した著書『ゼロトレ』はシリーズ120万部の記録的ヒットとなり、『金スマ』『世界一受けたい授業』など多くのテレビ番組に出演。その後、ハーバード大学医学部「Health and Wellness」講義にて、ウェルネスの観点から世界最先端の栄養学をはじめ運動、コミュニケーションについて学ぶ。人々が「いきいきとした人生」をおくれるように、体と心の両面からサポートすることをミッションとし、レッスン、書籍、講演、インスタグラム、Voicyなどでウェルネスの普及を行っている。また、自身が運営する女性専用オンラインジム「チームゼロ」では、体と心を変えたい女性たちに向けて個人レッスンや勉強会を開催している。そのほか、企業研修や企業とのコラボ、商品開発プロデュースなど多数。現在は、ニューヨークと東京を行き来する生活。11歳男児の母。 ----------
石村友見