[MOM5017]東山MF善積甲知(2年)_1年時から先発務めたボランチ。まず「自分の良さを出すこと」に集中してボール奪取、セカンド回収
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [1.6 NB CUP準決勝 東山高 2-1 中央学院高 時之栖裾野C] 自分の良さを見つめ直したボランチが、好パフォーマンスを続けている。東山高(京都)のMF善積甲知(2年=MIOびわこ滋賀U-15出身)が、「NEW BALANCE CUP 2025 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権) 準決勝で特長の守備力を発揮。福重良一監督も評価するパフォーマンスで勝利に貢献した。 対戦した中央学院高(千葉)は他とは異なるリズムでドリブル、ショートパスを繰り出して来るチーム。それに対し、ダブルボランチの一角を務めた善積は「(中盤で相手に対して)強く行けて、ボールを奪えるシーンもあった」。前からボールを奪いに行って幾度かビルドアップを止め切っていた。 中盤で奪い切れなくても守備を再構築し、相手を同サイドに追い込んでボール奪取。善積はCB、SBの背後をカバーして回収するなどチームを支えていた。本人も「自分の中では中盤でボールを奪うことや、セカンドボールは自分の良さで、自分でやることはできていると思う」と振り返る。 その一方、囲い込みながらも奪い切れないシーンがあったことや、終盤に運動量が落ちて強く行けなくなっていたことを反省。加えて、「まだ自分にしか矢印を向けることができずに周りに気を遣ってやることができていないので、そういうところで(ボランチでコンビを組む)雪本(迅之助)やDFラインに声を掛けたり、SHにも『絞ってこい』とか声掛けるように、周りにも気を配れるように余裕を持ってやっていきたいと思っています」と改善する必要性を口にしていた。 善積は「ボールを奪うことや、セカンドボールを拾うところが長所」。強豪・東山で1年時から先発としてインターハイ全国大会や選手権予選に出場しているボランチだ。だが、2年生のインターハイ後は出場機会が減少。善積はその理由について、「自分の長所をもっと磨かなければいけなかったんですけれども、もっとボールを触るところとか(課題)を伸ばそうとしてしまっていて、自分の長所を磨き切れずに良さがなくなってしまった」と分析する。 そして、MF雪本迅之助(2年)やMF野田凰心(2年)、3年生にポジションを奪われる形に。ただし、「(福重良一)先生に『自分の良さというのをこの新チームになってからもっと出して行け』って言われているので、自分が1年生の時にインターハイと選手権出してもらっていたことを一回、自分の中で振り返ってみて、自分の良さが何なのかもう一回再認識して、新チーム始まってからそういうところを意識しています」という善積は巻き返してきている。 本人が課題に挙げる攻撃面についても、1年時から柔らかいボールタッチなどを見せていた印象だ。日本代表MF遠藤航やMF佐野海舟が憧れの選手に挙げるボランチは今年、その攻撃面をよりレベルアップさせ、武器を絶対的なモノに変えていく考え。自分により自信を持てれば、大舞台で躍動できるようなポテンシャルを備えている。 「去年は2年生2人にボランチ取られてとても悔しい思いをしたので、自分の長所は誰にも負けていないと思うので、そこはしっかり自信を持って負けないというのと、自分のできないことをしっかりチャレンジしてできるようにしていきたい」。1、2年時に先輩の姿から学んだことを伝えながら、中心選手として1年間を過ごして「今年こそ京都で優勝して、選手権では日本一を取りたい」という目標を達成する。
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