魚も声と顔を認識「コイちゃんは、ぼくがわかる!」 小1が実験「不思議を調べ続けたい」 地域の科学賞受賞
子どもの独創的で優れた研究を表彰する「篠山ロータリー科学賞」の表彰式が、兵庫県丹波篠山市二階町の市商工会館であった。市内14の小学校から選抜された成果が審査され、飼っているコイの生態について調べた城北畑小学校1年の北村実さん(7)が最優秀賞に輝いた。(秋山亮太) 【写真】北村さんが研究題材にした「コイちゃん」たち 篠山ロータリークラブが子どもらの文化・科学振興を目的に、2018年から始めた取り組み。夏休みの自由課題などで取り組んださまざまな研究成果から、学校ごとに代表1点を選出。集まった14点を同クラブのメンバーや市教育委員会の職員が審査し、最優秀賞1人と、優秀賞3人を決めた。 北村さんの研究タイトルは「コイちゃんは、ぼくがわかる!」。昨秋から自宅で飼うコイがえさやりのとき、家族のうち自分にだけ寄ってくると感じていたのがきっかけ。テレビ番組で「カメが何を見てエサを認識しているか」を実験、考察していたのを見て、「僕のコイちゃんでも調べてみたい」と挑戦したという。 初めにコイが手を見て寄ってきていると仮定し、えさ箱や身の回りの道具などを持って水槽に近づけてみた。いずれも反応はなく、次はえさやり前に水槽をたたいていたことから音に注目。同じ物を使って水槽の角をたたくと反応が得られた。 「人の判別」についてもさまざまに試行した。北村さんと母の皆子さん(39)とでそれぞれ水槽をたたいてみたり、コイに母が見えるよう立ってもらって北村さんが声だけ出してみたり。自分の顔写真を水槽に近づけてコイたちの反応も確かめた。 実験を重ねて「声と顔で僕だとわかっているんじゃないか」という考えに至った。さらに図鑑やインターネットでコイの聴覚や視覚についても調べ、「水槽をたたく音でえさがもらえると気付き、声と顔で自分を認識している」という結論にまとめた。調べた過程や気付き、感想などを論理立てて文章化するのも大変だったという。 最優秀賞の記念品には本格的な天体望遠鏡が贈られた。「頑張ったからすごくうれしい」と笑顔を見せた北村さん。自宅には日々の暮らしで気になったことを母が書き留めてくれるコーナーがあるといい、「これからもたくさんの不思議を調べていきたいな」と話していた。 優秀賞は、多紀小学校4年の水田咲来さん、今田小学校5年の堀井太喜さん、城南小学校6年の小嶋誠矢さんが選ばれた。