スマスロ人気でパチスロ業界「V字回復」はあるのか? 射幸性をカバーするゲーム性と演出で40~50代の“4号機世代”を呼び込む
スマスロはゲーム性が「練られている」
20年前の4号機時代と比べると、スマスロは演出やゲーム性の面でも大きく進化している。液晶画面では美麗なアニメーションやCGが展開され、ユーザーの心を揺さぶる効果音も多彩だ。現在、スマスロの『モンキーターンV』にドハマリしているという神奈川県の自営業・Bさん(40代男性)は、「スマスロは4号機に比べて、打っていて楽しい」と話す。 「出玉の面ではやっぱり4号機がすごかった。その点については、揺るぎないですよ。でも、ゲーム性や演出はスマスロのほうが断然面白いですね。4号機時代も液晶画面でいろんな演出がありましたが、今考えると結構チープだし、シンプルでしたよ。 でも、今の時代はそうした部分がちょっと過剰なくらいに豪華で、出玉よりも演出を楽しみたいから打っているという部分も否めません。私は『モンキーターンV』が導入された昨年12月からか、週2~3回ほどのペースで打っていますが、いまだに見たことがない演出もありますからね。『今日こそは、あの演出が見られるんじゃないか』と思いながら、ずっと打っています。ただ、音については派手すぎるような気もします」 また、ゲーム性については「練られている」と感じることも多いようだ。 「4号機の時代は、その機種の内部システムをよく理解できないままだったことも多かったんです。だから『なんかよくわからないけど、たくさん出た』といったこともよくありました。でも、最近のスマスロはゲーム性もよく練られていて、打っていて『熱い!』と思わされる瞬間がたくさんあるんです。『ここで小役を引いたら熱い!』とか『次のゲームで50%の抽選を通したら熱い!』とか、そういった形でレバーを叩くときに気合が入ることも多い。よく考えられているゲーム性が、出玉面での4号機との差を埋めているのかなと思います」(Bさん)
スマホで調べながら打てるので損をしない
4号機時代の20年前とスマスロ時代の今とで、世の中も大きく変わっている。なかでも、パチスロの楽しみ方に大きな影響を与えているのが、スマートフォンの普及だ。東京都の会社員・Cさん(40代男性)は、こう話す。 「4号機時代は、基本的にパチスロに関する情報は専門誌で得ていました。ネット上にも情報はありましたが、いまほど充実しておらず、新機種を打つときは、雑誌でその機種のシステムを予習していくんです。ただ細かいシステムを全部覚えられるわけでもなくて、打っていてよくわからないことがあったり、チャンスがあるゲーム数がわからずに、ヤメ時を誤ってしまうこともありました。 でも今は雑誌よりもネットのほうが機種の内部システムに関する情報は多くて、スマホでそれを調べながら打つことができる。ネットを調べれば『○○ゲームまではチャンスなのでヤメてはいけない』というような情報をすぐに知ることができるのは便利です。しっかり予習していかなくても、損をしない打ち方ができるというのはメリットです。4号機の時代も楽しかったけど、いまのほうが安心して打てる気がします」 4号機とはまったく異なるスマスロだが、そこに新たな楽しみ方を見出す“4号機世代”も少なくない。パチスロの黄金時代が再到来する日もそう遠くはないのかもしれない。(了)