100年の時を経て人気再燃?仙台の若者が夢中のダンス「リンディーホップ」
仙台の若者が夢中のダンス「リンディーホップ」(宮城県仙台市、平間真太郎撮影)
リンディーホップというダンスをご存じだろうか。発祥は1920年代のアメリカ・ニューヨークの黒人文化の中心地ハーレム。当時流行したスウィングジャズにあわせて男女のペアが躍動感あふれる動きで踊る。それが100年近くの時を経て、仙台の若者たちを夢中にさせている。
仙台の夜を彩るダンスの熱気
寒さが厳しい2月、仙台市中心部の飲食店「スタイラス」は熱気に包まれていた。20~30代の男女のペア10組ほどが、リズミカルなスウィングジャズにあわせて踊る。時間が経つにつれ、ワイシャツの袖をまくり上げたり、Tシャツ姿になったりする人もいる。 この店では毎週水曜日の夜、リンディーホップなどのスウィングダンスを楽しむ集まりが開かれている。インストラクターが基本となるステップを教えるほか、ジャズの曲にあわせて、参加者それぞれが好きなスタイルで踊る。参加者は毎回20人前後。大学生もいれば社会人もいる。日本人やアメリカ人など国籍も様々だ。
「躍動的で堅苦しくない」のが魅力
インストラクターとしてダンスを教えているのは、ジャズ写真家の尾形奈美さん(43)。「スポーティーで堅苦しくないのがリンディーホップの魅力」と語る。尾形さん自身、10年ほど前に住んでいたシカゴのライブハウスで本場のリンディーホップに接し、その虜になった。 尾形さんによると、参加者のほとんどを20~30代の若者が占めているのが仙台の特徴なのだという。1920年代のアメリカで流行したリンディーホップだが、スウィングジャズの衰退とともに一時その人気は衰えた。80年代になって欧米の若者にその魅力が再評価され、90年代には世界的なブームとなり、同じ頃日本にも波及。2000年以降、東京や大阪などを中心に広がっていった。現在、日本でリンディーホップを楽しんでいるのは、40~50代が多いという。
「毎週踊らないと落ち着かない」の声も
そんなリンディーホップの魅力に、仙台の若者たちが惹きつけられている。市内の美容室でアシスタントをしている伊東佳奈さん(25)は、約1年半前からリンディーホップにはまっている。もともと、古いジャズを聴くのが好きという伊東さん。様々な国の人とペアを組み、言葉が通じなくても楽しさを共有できることが魅力なのだという。「毎週1回は踊らないと、気分が落ち着かない」と息を弾ませる。