【解説】インフルエンザB型早くも増加…インフル連続感染のリスクも B型は嘔吐・下痢など消化器系の症状が特徴 ワクチンは接種から約2週間後に効果
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日本医師会は、年末年始に予想を上回るインフルエンザの患者が医療機関を受診したことを明らかにしました。 日本医師会の松本吉郎会長は会見で、「想定を上回る事態が発生した」と述べ、インフルエンザの流行は例年、年末年始で人の交流が減る時期に収まるものの、2025年は予想を超える患者が医療機関に駆けつけたことを明らかにしました。 また、患者の増加に伴い、検査キットや治療薬が不足しているとの声が上がっていて、咳止めなどの医薬品が慢性的に不足している現状などについて、改めて国に対応を求める考えを示しました。 その上で、マスク着用などの基本的な感染対策の他、できるだけ平日や日中など医療機関が開いている時間に受診するよう呼びかけました。 インフルエンザが最も流行するのは通常1月下旬とされていますが、今シーズンは12月中旬から急激に増加しています。そのほとんどがインフルエンザA型ですが、ここにきてインフルエンザB型の波も例年より早く来ています。 今シーズンは連続感染のリスクが高まっているということです。 8日は、B型急増でA型からB型連続感染が不安視される中、今からできる対策について、感染症が専門の東京歯科大学・寺嶋毅教授に電話で解説していただきます。 青井実キャスター: 今シーズン、インフルエンザの患者は多いのでしょうか?もう1つ、A型とB型の今の比率はどれくらいでしょうか?寺嶋さんの実感としてはどうでしょう? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: まだAが主流で9割以上、Bは1割未満という例年と同じ比率ですが、インフルエンザの患者さん、全ての年齢層でかなり多いですね。特に小さいお子さんや高齢者など、インフルエンザ関係で入院している人がこれほど多いのは久しぶりという印象です。 A型とB型について、寺嶋さんによりますと、インフルエンザの例年の流行期間は、A型は12月中旬から2月上旬、B型は2月の下旬から3月上旬となっているわけですが、今シーズンは状況が違います。 A型が11月下旬からと3週間前倒しになっています。 青井実キャスター: A型が3週間前倒しになり、B型が前倒しになってくるのかということですが、この辺りはどうでしょうか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 12月は空気が乾燥していたのでウイルスには好条件。私たちにとっては、のどの粘膜の防御が少し落ちるなど不利でしたから、前倒しで流行が始まったと思います。以前にも2019年はAが前倒しで、Bも少し前倒しという年がありましたから、今年も少し前倒しになる可能性はあると思います。 遠藤玲子キャスター: 今回前倒しだったので収束も早まることは期待できますか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: そうなってくれるといいんですけど、一方で、必ずしもそうとはいえず、Bは4月ぐらいまで長引くこともありますから、そうとも言えないと思います。 青井実キャスター: 基本的な情報ですが、A型とB型の特徴を教えていただけますか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 基本的には、AもBもコロナも今はほとんど症状が一緒なんですけれども、強いて言うと、Aは比較的急に高い熱が出るという印象があって、Bは時には嘔吐とか下痢とか、消化器症状が前面に出ることもあるのかなという気がします。 青井実キャスター: AにかかったあとにBにかかったりということもあるんですか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: そういうこともあります。 青井実キャスター: AにかかってBにかかって、またAにもう一度かかるという可能性もあるわけですか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: ないこともありません。昨年みたいに長い流行のシーズンがあると、AもBも。しかもAは「H1」「H3」と2つのタイプがありますから、いずれもということはなきにしもあらずです。 青井実キャスター: Aに2回かかることは全然ある話だということですね? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: そうですね、あり得ますね。 青井実キャスター: これはかなり体にも負担がありそうですけれども、その辺りはどうでしょうか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 連続してかかったりすると、1つが十分に回復しないうちに次の例えばB型にかかると、体力的にかなりつらいものがありますし、日常生活や仕事への復帰にはかなり時間がかかるかなと思います。 SPキャスター パトリック・ハーラン氏: 同時に新型コロナウイルスもいまだにはやっているようですが、3つとも症状が似ている気がします。気を付けるべき点とか注意点はありますか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 症状だけだと、熱とか、せきとか共通していますから、早めに受診されること。それからしっかりコロナの時の感染予防対策を思い出してやるということかなと思います。 SPキャスター パトリック・ハーラン氏: 早めに検査もしてもらった方がいい? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 特にインフルエンザは早く診断するとインフルエンザの抗ウイルス薬、特効薬がありますから。 周囲に広げないという意味でも早く受診した方がいいです。 青井実キャスター: 対策について、もちろん基本的な対策も必要ですが、インフルエンザワクチンは今から打っても有効でしょうか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 今の流行に対してはというと、ワクチンを打ってから効果が出てくるまでには2週間、あるいは4週間ですから、今はやっているAには、もしかすると期待は薄いかもしれませんが、Bの流行がこれからやってきますから有効かと思います。 青井実キャスター: 薬が足りていないという情報もありますが、その辺りはどうでしょうか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: 特にせき止めなど症状を抑える薬は慢性的な不足で、なかなか処方しても届けられないこともあります。 青井実キャスター: 改めて対策として挙げられるものを教えていただけますか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: いつものことになりますが、こまめな手洗い、部屋をしっかり換気する。インフルエンザの患者さんが家族にいれば、部屋や食事を分ける。 それからマスクをメリハリつけて着用することかなと思います。 青井実キャスター: 肌感としては、かなりインフルエンザがはやっている、かなり気を付けた方がいいなという印象はありますか? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: そうですね、ありますね。特に高齢者、持病のある方、小さなお子さんは症状が重くなって、救急で受診したり、入院が必要なケースがありますから、しっかり気を付けていただければと思います。 青井実キャスター: 基本的ですが、うがい・手洗い、マスクも含めて、皆さん大事にしていただきたいということですね? 東京歯科大学・寺嶋毅教授: そうですね、しっかり感染対策をメリハリつけてやっていただきたいと思います。
フジテレビ,社会部
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