「びっくりこきました」名古屋市の河村市長がPCR誤判定の愛知県に苦言
名古屋市の河村たかし市長は13日、名古屋市役所で定例会見に臨んだ。愛知県で12日、新型コロナウイルスのPCR検査で誤判定が発覚した件について、名古屋市でも3月にすべての検体で陽性となり、検査をやり直した例があったと明らかにした上で「(その事例を含めて)市の衛生研究所では厳しくチェックしている。衛生研も保健所も、ものすごくしっかりやっとる」と強調した。 【中継録画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2020年4月13日)
3月には試薬の異常で再検査
愛知県の衛生研究所では、11日の検査で28人が陽性と判定されたが、一部保健所からの指摘で検査をやり直したところ、翌日になって24人が陰性と分かった。 愛知県の大村秀章知事は13日の定例会見で「本来、陰性だったものを陽性としたのは大変、問題があること。県民の皆さまには申し訳ない」と謝罪。その上で、原因とされる遺伝子抽出工程を、現状の1人態勢ではなく、複数人態勢でチェックするなどの再発防止策を示した。 一方の河村市長は「びっくりこきました。命に関わることですから、大丈夫かと」と、この問題に言及。しかし、名古屋市でも3月18日に市衛生研究所で28人分の検査をしたところ、すべて陽性になったケースがあったことも明かした。 担当者によれば、この日は普段、真水などで陰性を前提に試験する「陰性コントロール」でも陽性反応が出たことから、検査試薬がおかしいと判断。結果を保留して翌日、再検査をして2件が陽性となったことで正式に発表したという。問題の遺伝子抽出工程は県と同様、1人だけで作業する態勢だが、浅井清文・名古屋市保健所長は「PCRの検査はどうしても難しい。ひとつひとつの検体を丁寧に扱い、結果を吟味しなければならない」と話した。
小規模事業者に名古屋市独自の経済対策も検討
河村市長はまた、各地の緊急事態宣言を受けて、名古屋市として小規模事業者向けに独自の経済対策を検討していると表明。「ようけ給料もらっとる知事やなんかが出てきて、営業自粛とか協力金とか、なに考えとんのか。100万円とか200万円出しゃいいという、そんな話じゃない。大きな企業はしっかり担保も持って、それぞれの銀行と融資の話ができる。どちらかといったら個人事業主など、商売やっている人を守ろうと、銀行と相談している」などと述べた。 (関口威人/nameken)