プーチン氏、テロ巡りイスラム過激派に初めて言及-なお背後関係示唆
(ブルームバーグ): ロシアのプーチン大統領は25日、モスクワ郊外のコンサート会場で起きた銃乱射事件について、初めてイスラム過激派に言及した。ただ事件をウクライナや西側諸国と結び付けようとする姿勢は変えなかった。
プーチン氏は高官との会合で、「クロッカス・シティー・ホール」で139人が犠牲になった事件を起こしたのはイスラム過激派だが、捜査官が背後関係を特定しようと詳しく調べていると発言。「ロシアと国民に対するこの残虐行為を誰が行ったか承知している。われわれが関心を持っているのは誰が指示したかだ」と語った。
過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したにもかかわらず、プーチン氏は銃乱射事件に関する最初の公式コメントで、イスラム過激派への言及を避けていた。ウクライナは関与を否定。複数の米政府当局者はIS単独の犯行と指摘した。
プーチン氏は「米国は自国の情報機関データを根拠にモスクワのテロ攻撃にウクライナの痕跡はないと考えられ、ロシアで禁止されている『イラクとシリアのイスラム国(ISIS)』のメンバーであるイスラム教徒によって実行されたと、さまざまなチャンネルを通じて衛星国や他の国を説得しようとしている」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、この攻撃をロシアの偽旗作戦と指摘している。
ロシア当局はこの日、モスクワ郊外のコンサートホール襲撃事件の実行犯として起訴された4人の法廷映像を公表した。法廷では、4人がタジキスタン出身であることが明らかにされた。
モスクワの裁判所がテレグラムに投稿したところによると、4人のうち2人は起訴事実を認めた。
原題:Putin Says Islamists Attacked Moscow, Still Seeks Ukraine Link、Moscow Attack Suspects Paraded in Court as Two Plead Guilty(抜粋)
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