９回、田村に先制適時三塁打を許し、佐藤輝（左）に声をかけられるゲラ（撮影・中田匡峻）

　「阪神０－１広島」（１１日、甲子園球場） 　阪神は０－１の完封負けで、カード負け越しとなった。２連敗で借金２となった。ゲラが九回に田村に中越え適時三塁打を打たれ、今季初失点。来日初黒星となったが、デイリースポーツ評論家の井川慶氏は「打たれましたが、真っすぐの選択は間違いではなかった」と指摘した 【写真】九回に悪夢　今季初失点を食らったゲラ 　　◇　　◇ 　ゲラ投手と田村選手の対戦ですが、梅野選手にはおそらく、前の松山選手が空振り三振に倒れたような、膝元へのスライダーで仕留めるイメージがあったのでしょう。その上でまず初球が膝元へのスライダーで空振り。２球目はスライダーが外に抜けてボール。３球目の真っすぐが梅野選手の内角高めの要求より、やや真ん中にいったところを打たれましたが、真っすぐの選択は間違いではなかったと思います。 　最後がスライダーというイメージであれば、どこかで真っすぐを意識させたいし、高めの軌道も入れておきたい。そして田村選手には真っすぐを見せていなかったので、その一球で打ち取れる可能性もある。そう考えると、明らかに外すのはもったいないというのと、スライダー勝負の考えがより読まれる部分がある。あの真っすぐでファウルでも取れれば最終的に抑えられたと思いますし、わずかでももう少し高めにいっていれば…とも思いますが、仕留めた田村選手が見事でした。 　ゲラ投手に話を戻すと、失点の後、矢野選手の難しい打球を捕球して追加点を与えなかったプレーを見ると、気持ちを切らすような投手ではないでしょうし、切り替えてもらえればと思います。