【船井電機】「破産という形で終わらせるわけには絶対にいかない」原田義昭会長に単独取材 300億円の資金流出については「多少の不正があったと感じる」
MBSニュース
大阪府大東市に本社を置く家電メーカーの船井電機。1961年、ミシンの卸売業を営んでいた船井哲良氏が創業しました。 1990年代に入りテレビとビデオが合体した「テレビデオ」で一世を風靡すると、2000年代には「液晶テレビ」の生産を開始。圧倒的低価格と品質を武器に北米でトップシェアを獲得するほどの企業に成長しました。 一代で「世界のFUNAI」を築きカリスマと呼ばれた哲良社長。かつて、MBSの取材に対し… (船井電機・船井哲良社長(当時) 1999年放送より)「こういう機会を通じて、できるだけみなさんに説明して、株主からのいろんな意見を参考にしながら経営を進めたい」 その後、船井電機は中国企業などとの価格競争に敗れ業績が悪化。挽回をはかるため、2017年にヤマダ電機に独占供給を開始しました。ところがー (10月24日放送 MBSニュースより)「船井電機がきょうまでに破産申請をしていたことが分かりました。負債額は460億円以上にのぼるとみられます」 10月24日、突然の経営破綻。東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたこの日はなんと給料日の前日。従業員約550人は突如、解雇を言い渡されたといいます。 (元従業員)「もう笑うしかないという感じですね。起きたことはしかたがないので」 (元従業員)「10月分の給料が出ていないので金銭面の不安がある」 なぜ経営破綻してしまったのか。企業情報などを調査する東京商工リサーチの担当者に真相を聞くと… (東京商工リサーチ・情報部 山本浩司部長)「我々も不穏な動きというのはつかんでいたんですが、ここまで急かということは正直思っていなかったですね。カリスマ社長が頑張って貯めてきた資金が一気になくなってしまったと」 “世界のFUNAI”が陥っていた迷走。背後に見え隠れする不可解な資金流出。一体何が起きたのか、11月14日午前、船井電機の会長で元環境大臣の原田義昭氏がMBSの取材に応じました。 船井電機の会長になったいきさつについては元々、法的相談を受けていたと話したうえで。 (船井電機会長・原田義昭氏)「8月末に『ちょっと会社がきついんだ』『先生 応援してくれませんか』と言うから、(法理相談を受けていたので)当然のことながら『できる範囲でやるよ』と。ある時期に『代表取締役会長をお願いします』と言われて、私も当初はびっくりしましたけど、船井電機さんの思い入れにお応えするのが男の道かなと思った」 取締役会での議決を経ずに一人の取締役が準自己破産という形で破産申し立てをしたことについては… 「びっくりしたのが事実です。お互いの連絡体制、ガバナンス(統率力)が欠けていたかなと。どんな時でも一丸となってひとつの目標のために突き進もうというのが欠けていた」 破産の申し立て書に記載されている300億円もの資金流出については。 「多少の不正があったようにも感じています。不正というかそのときの経営の判断を含めて、評価はあると思います。中には不正という言葉を使われる人もいるが、私自身は(不正と)決めずにとにかく再結束をしようと一生懸命努力をしているところです」 従業員への給与未払いについては支払うよう段取りをしていると話します。 「(Q船井電機にまだ資産はある?)あると見ています。旧経営陣に反省してもらうことはたくさんある。それを乗り越えて、破産という形でこの名門の船井電機を終わらせるわけには絶対にいかない」
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