自治会に入る必要ある? 手間だし人付き合いわずらわしいし…加入しない移住者に脱退する高齢者まで…悩む区長たちに生まれた疑問、そもそも…
切羽詰まって焦る区長
来年度の三役の担い手が見つかっていない北殿区。渡辺文善区長(71)は「(ガイドラインの)公表を待っていては間に合わない」と焦りを口にする。同区では検討委の議論に先駆け、区長の業務を精査し、事務局に仕事を割り振ることで負担を軽減することなどを計画している。 切羽詰まった状況ではあるものの、渡辺区長は「村はいいタイミングで取り組みを始めてくれた」と評価する。「検討委の活動を見ながら区でも改革を進めていくのがいいと思う」と話している。
委員からも「区に入る必要ある?」
各区・組が直面する課題は待ったなしだ。一方で、まず自治会の目的を議論すべき―との見方もある。 「『なんで区に入る必要があるのか』と思って入っている」。箕輪町から移住した30代女性は疑問に思う。「入ると手間が増える印象があるし、若い世代は人付き合いがわずらわしいと思う人もいると思う」。検討委補助委員からも同様の意見が出ている。
住民が無関心なんじゃなくて…
検討委員の志野英男さん(73)は「自治会の目的を議論した上で、個別の課題について対策を取る方がいい」と提案する。自治会は社会構造の変化に対応しておらず、住民側が自治会に無関心なのではなく社会が変わったのではないか―。「今の社会の中で自治会がどうあるべきかを議論してから(課題を)詰めていくべきではないか」と指摘した。