ルート決定、年内見送り 与党整備委、2案で検討継続
●来年度着工厳しく 北陸新幹線敦賀以西の延伸について協議する与党整備委員会は20日、国会内で会合を開き、年内を目指していた詳細ルートの決定を見送ることを決めた。現行の「小浜ルート」の詳細3案から1案に絞り込む予定だったが、延伸先の京都、大阪から地下水への影響や工期の長期化などに対する懸念の声が相次いだのが要因。整備委が目標とする2025年度の着工が厳しくなった。 小浜ルートの詳細3案は▽京都駅の東西を通る「東西案」▽同駅を南北に貫く「南北案」▽同駅から約5キロ離れた「桂川案」。会合は冒頭を除いて非公開で、出席者によると、3案のうち、工期が最も長い東西案を外し、南北、桂川案に絞り込んで検討を続けることを確認した。 小浜ルートに関しては、国土交通省が8月に公表した試算で工期が当初想定の15年から最長28年、事業費は2兆1千億円から最大5兆3千億円に膨らんだ。さらに整備委が13日に開いた会合では大阪、京都両府知事、京都市長が地下水への影響や建設残土処理、工期長期化、費用負担などへの懸念を表明していた。 こうした状況を受け、整備委は18日に開いた会合で、委員長の西田昌司参院議員(京都選出)が3案から東西案を除き、南北、桂川の2案に絞り込む案を提示したが、一つに決めるように求める委員から反対の声が上がり、ルート決定を持ち越した。 ルートを巡っては、石川などで敦賀から米原につなぐ「米原ルート」への再考を求める声が強まっている。