〈2025参院選〉尾辻秀久参院議長が勇退する鹿児島選挙区、自民県連は「勝てる候補」選びを本格化…「即戦力」か「地方政治の経験」か、はたまた「父の継承」か 予定者選考に6人が論文提出、9月中の決定目指す
自民党鹿児島県連が公募した来夏の参院選鹿児島選挙区(改選数1)公認候補予定者の選考が進んでいる。応募者に論文提出を求めたところ6人が応じ、24日に鹿児島市で開く非公開の選考委員会で内容を精査する。県連幹部は「全県に浸透を図るために9月中には決めたい」としており、応募者の動きも活発化しそうだ。 【写真】選考委員会で公認候補予定者を決めると確認した自民党県連の執行部役員・選対常任委員合同会議=3日、鹿児島市真砂町
尾辻秀久参院議長(83)=同選挙区=の勇退表明に伴う公募には、元参院議員の園田修光氏(67)、県議団が推薦する外薗勝蔵県議(72)、尾辻氏の三女で議長秘書の尾辻朋実氏(43)ら県内外の9人が応募。うち2人は自民党籍がなく資格を満たさなかった。 選考委では応募動機や鹿児島の将来像などを含む論文の中身を確認し、人数を絞り込むとみられる。面談や経済界・友好団体への聴取も見込む。森山裕県連会長は「県民の支持を得られ県内の状況をよく理解している、勝てる候補を選ぶ」と強調する。 公募参加を表明している3人の動きはそれぞれだ。 園田氏は「総裁選への対応で忙しくなる。仲間と話すため上京機会も増える」と強調。22日は衆院初当選同期の菅義偉前首相と語り合った。教育や社会保障分野での格差是正が急務とし、人脈を生かし「即戦力」を打ち出す。 外薗氏は7月下旬以降、複数回上京し、親交があるという菅氏をはじめ国会議員事務所を訪れ、友好団体回りも加速させる。年齢への懸念もある中、「尾辻氏も選挙区にくら替えしたのは70代。地方政治の経験を生かしたい」と訴える。
議員経験のない朋実氏は議長秘書の実務に当たりながら、今後は県内の友好団体や県議事務所を訪問する考えだ。父・秀久氏がライフワークとする社会保障制度改革や自殺対策に意欲を見せ「できる限りあいさつに回りたい」としている。 県外からの応募もあり、選考は困難な面もありそうだ。選考委の野村哲郎委員長は「候補になれば資金も人手も必要。人柄や実績、組織力に加え、友好団体の意見も聞きながら決めたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島