「一部の高齢住人が猛反対」 タワマン資産価値が落ちる原因は? 管理組合が頭を抱えるワケ
古いマンションに、救いの道はナシ?
一般的には12年ごとを目安に行われる大規模修繕だが、資金不足を理由に、15~20年周期への見直しを行うマンションが増えているという。しかし、修繕をしないまま放っておくことで水漏れなどさまざまな不具合をもたらすことがあり、管理組合と住人との間にいらぬいさかいを呼ぶこともあるという。 20年以上のキャリアを持ち、不動産業界に精通する中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに、解決策について尋ねてみた。 「大規模修繕は必ずしなければならないというものではありませんが、メンテナンス面を考えたらできるだけマメに行いたいもの。それができないとなるとマンションの価値そのものが下がる原因になりかねません。管理費や修繕積立金を担保に銀行からお金を借りることができます。こうした借金自体がマンションの売買評価を下げることはありませんので、多少の借金をしてでも、修繕を行ったほうがいいと思います」 姉帯さんによれば、今、多くのマンションで起きている“難問”とのこと。 「残念ながら、裕福なまま暮らせるシニアは減ってきています。そうした住人の反対を回避するためにも、いきなり金額を5000円上げるのではなく、1000円ずつ上げるなど、段階を踏んでじわじわ値上げする以外に方法は無いように思います。ただし、ここ近年は物価上昇率が高すぎるため、安心できるほどの金額が貯められているマンションは少ないようです。 厳しい言い方になりますが、不動産物件は古くなればなるほどお金がかかるようになります。便利で快適とされるタワマン暮らしですが、その未来には大きなデメリットが隠れているということも、ぜひ、覚えておいてください」 □姉帯裕樹(あねたい・ひろき)「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。
ENCOUNT編集部