「忘れられそうで怖い」能登半島地震から半年…自宅・店舗が全壊の料理人「長い目で助けてほしい」 公費解体わずか4%止まり 進まぬ復興なぜ?【news23】
中には全く手つかずの場所も…。珠洲市の海沿いの地域では、津波で流されたがれきが散乱し、どの建物のものかわからない状態に。 石川県構造物解体協会 中谷和浩さん 「空き地なのかよく分からないところに全部流れている。『それは公費解体じゃないですよね』と言われるし、僕もそうだなと思う」 所有者が特定できないままでは公費での撤去は難しいのが実情です。 一方、県内の仮設住宅は必要戸数6810戸に対し、6月末までに約5000戸が完成しました。プライバシーの確保と引き換えに懸念されているのが、孤独死などの増加です。 輪島市の仮設住宅では5月、70代の女性が孤独死しているのが見つかりました。女性には持病があったということです。 避難生活で体調を崩すなどして亡くなる災害関連死は70人となる見込みです。 ただ、この数にはまだ含まれていない別れも… ■避難中の母親が突然帰らぬ人に「1回は話したかった、会いたかった」 夫婦で営むこの眼鏡店は半年前、ガラスが割れ、商品が散乱していましたが、今は綺麗に片付けられ、営業を再開。妻の恭子さんは、店に来た人から被災経験を聞くことも多いといいます。 メガネ・時計店「キロク」 木下京子さん 「聴くだけしかできないけどね、店ってそういう役割もあるかなって」 しかし、京子さん自身も大切な人を亡くしました。母親のたけのさん(93)。最後に会ったのは昨年末でした。 メガネ・時計店「キロク」 木下京子さん 「『京子に会うと母ちゃん元気になる』と言っていた」 震災前は大きな病気もなく健康だったたけのさんですが、かほく市の家族のもとに避難して1か月が経ったころ、突然、帰らぬ人となりました。 メガネ・時計店「キロク」 木下京子さん 「家の片づけと店の片づけに毎日追われていて、『明日必ず電話しよう』と思っている間に死んじゃった。1回くらいは話したかった、会いたかった」 遺影の隣には、たけのさんが大好きだった実家のアジサイを置いています。