「忘れられそうで怖い」能登半島地震から半年…自宅・店舗が全壊の料理人「長い目で助けてほしい」 公費解体わずか4%止まり 進まぬ復興なぜ?【news23】
■“全壊”がれきの中から、家族で「宝探し」 6月29日、坂口さんの自宅と店の公費解体が始まりました。 金沢に避難している子どもたちは、週末だけ輪島を訪れます。夕方、思い出の品を探していました。 坂口亮吉くん 「見つけた。お母さん、壊れる前の『のと吉』の写真出て来たよ」 震災前の店の写真が見つかりました。 坂口しほさん(41) 「これは『宝探し』です。ただの瓦礫かもしれないけど、思い出1つが宝物。あったのも忘れていましたけれど、思い出が甦って、ぐっときます」 坂口亮吉くん 「(Q.思い出の品が見つかった時の気持ちは?)ちょっと嬉しい。(Q.いま輪島でやりたいことは?)友達と遊びたい」 坂口さんも子どもたちと一緒に「宝探し」をします。家族が一緒に過ごせるのは週末だけ。 坂口ももちゃん 「(Q.お父さんと一緒にいるとどう?)たのしい」 坂口竜吉さん 「『輪島には戻って一緒に暮らしたい』というのは、1月、被災してから変わらない」 7月1日も炊き出しを続ける坂口さん。能登半島地震から半年、坂口さんが今一番、伝えたいことは… 坂口竜吉さん 「ここはまだまだこれからです。まだ何も始まっていないということ。心の奥底で一番思っていることは、ずっと『助けて欲しい』という気持ちはやっぱり絶対あると思うんです。でも、なんかそういう気持ちって、弱音を吐くという意味でなかなか口に出して言いにくい と言いますか。『長い目で助けて欲しい』というのは一番の思いですかね」 ■残る崩壊した建物 「人手不足」で進まない公費解体 小川彩佳キャスター: 能登半島の被災地からは、これまで懸命に耐えながら気丈に振る舞う皆さんの姿を多く見てきたように感じますが、半年経って聞く『助けてほしい』という言葉は、悲鳴のように胸に迫るものがあるように思います。 復旧・復興がなかなか進まない現状について、被災地の皆さんからはどんな声がありましたか。 藤森祥平キャスター: 「公費解体の遅れ」についての話がたくさんあり、手続きが非常に煩雑であること、解体作業をする人員が非常に不足しているという声が聞かれました。